教育年報1982年(S57)-280/316page

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(2)研究の内容

小学校低学年理科指導上の問題点を検討し、授業実践に

より、本県の実態に即した指導のあり方を究明する。また、

有効な各単元毎の活動例を収集して、「小学校低学年理科指

導資料」(仮称)としてその成果を刊行する。

(3)研究の概要

1) 第1年次 生物の継続観察や野外における自然観察に

ついては、地域の自然、時間の経過などの点で、特に問

題が多い。このことから、いわゆる生物分野、地学分野

にスポットを当て4単元にわたる授業実践により、それ

らの単元の指導計画を作成した。また、他の16単元につ

いて、今までの経験上有効な活動例を収集し、検討、精

選して指導資料として使用できるようにした。

2) 第2年次前年度に引き続き、さらに4単元の授業実

践による指導計画の作成と残り16単元についての活動例

を収集、検討する。特に、授業の中での児童の活動に対

する評価の観点、手だてを明確にし、合科的な指導の実

践研究を進め、「小学校低学年理科指導資料」として刊行

の予定である。

5 高等学校「理科2」に関する研究

(1)研究の視点

「理科2」の最大の特色である「生徒自身の力で、自然

の事物・現象の中から課題を発見し、それらの課題解決を

行う中で探求的な能力・態度を身につけさせる」ことを基

本に、教材の選択を行い、観察・実験の指導法等について

研究を行う。

(2)研究の内容

学習指導要領に示された「理科2」の3つの領域を対象

に、物理・化学・生物・地学の分野からの課題を設定する。

課題の選定に当っては、各校生徒の実態、施設・設備及び

地域の自然環境の状態等を考慮する。

(3)研究の概要

1) 「特定の事象についての観察・実験」について

物・化・生・地の各分野から各2テーマを選び、1テ

ーマことに、基礎と発展に分けてその取扱い方をまとめ

る。中学校理科及び「理科1」との関連についても考慮

しておく。

2) 「自然環境の調査」について

生・地の分野から、地域の自然環境をとり入れたもの

と、一般的なものとをテーマに選ぶ。

3) 「科学の歴史的事例についての研究」について

物・化より2テーマ、生・地より1テーマを選ぶ。

研究のまとめとして、「理科2の指導」を昭和58年度に発

刊の予定である。

6 教育相談の基礎的研究

(1)研究の視点

学習意欲を構造的にとらえ、学習意欲を構成する諸因子

にかかわる動機づけや、学習意欲を高めるための心理療法

として効果的な方法は何かを解明する。

(2)研究の内容

学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ

(3)研究の概要

1) 学習意欲とはどういうことか

ア 学習意欲が問題とされる背景

イ 学習意欲とは

ウ 学習意欲の構造

エ 学習意欲の高い児童生徒とその類型

2) 学習意欲が形成される背景とその問題

ア 本人・家庭・学校・社会について

イ 学習意欲と学業不振・発達段階

3) 学習意欲をどのように評価すればよいか

ア 学習意欲に問題をもつ子供の選択について

イ 学習意欲を失った子供の原因とその背景を調べるた

めのテストバッテリー

4) 学習意欲検査結果とその考察

5) 学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ

ア 学習意欲と動機づけ

イ 学習意欲を構成する因子を高める動機づけ

ウ 学習意欲を高める心理療法

7 教育課程の実施に関する研究

(1)研究の視点

各小・中・高等学校においては、適切な教育課程の編成

実施については、教育内容の質的転換を図る必要かある。

それによって、学校現場において、はしめて、自発的な創

意と工夫が生まれてくるものと考えられる。こうした考え

を基本として「教育課程の実施に関する研究」に取り組ん

できた。

(2)研究の領域

1) 言語活動中心の英語授業を進めるための一考察(中学

校)

2) 音楽の美しさを感しとらせる指導(小学校)

3) 児童の家庭生活の認識と家庭科学習指導(小学校)

4) TSS端末を使用した自動製図、NCテープ作成につ

いて(高等字校)

5) 生徒指導全体計画作成・改善の視点(共通)

(3)研究の概要

1) 言語活動中心の英語授業を進めるための一考察

新しい時代に対応する外国語学習は、単なる言語材料

理解の学習活動でなく、生きた英語としての運用につな

がる言語活動である。この観点にたって3領域の言語活

動について、本県中学校で使用されている教科書により

指導事例をあげて研究をすすめた。

2) 音楽の美しさを感じとらせる指導

県内小学校の児童を対象に歌唱学習への興味・関心を

調査し、その結果を分析することによって、歌唱指導上

の課題を明らかにし、これからの指導のあり方や、改善・

充実を図るための考察と歌唱指導の実際が主な内容であ

る。

3) 児童の家庭生活の認識と家庭科学習指導

児童の家庭生活の認識に関する実態調査と、それに基

づいた調査結果の考察及び家庭科学習指導法考究につい

ての資料を目的としている。

4) TSS端末を使用した自動製図、NCテープ作成につ


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