教育年報1983年(S58)-063/323page

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(1) 奨 学 生

  奨学生は、高等学校、高等専門学校、大学および大学院

 に在学する生徒・学生ならびに表1に該当する者で、在学

 校の校長、学長より推薦された者から採用する。

(2) 奨学生の採用

  別表1のうち県支部が取り扱うのは、高等学校の一般及

 び特別貸与奨学生の在学採用、ならびに高等学校・高等専

 門学校特別貸与奨学生、大学および教育特別奨学生の予約

 採用である。

 1) 高等学校奨学生(在学採用)

  (ア) 奨学生の種別

    高等学校奨学生には、一般貸与奨学生と特別貸与奨

   学生とがある。

    採用は、ともに高等学校に在学する隼徒で、学業、

   人物ともにすぐれながら、経済的理由によって修学が

   困難と認められる者で、学校長から推薦された者につ

   いて、支部選考委員会の議を経て採用される。

    募集は、4月と9月の年2回。

   奨学金月額(別表1参照)

   採用人員(別表2参興)

  (イ) 特別貸与奨学金の増額

    特別貸与奨学生のうち、自宅から通学可能な地域に

   高等学校がないため、自宅外通学をしている者、およ

   び孤児・里子については、審査のうえ、増額の条件に

   合致すれば、月額5,000円が増額される。

 2) 高等学校・高等専門学校特別貸与奨学生(予約採用)

  中学校第3学年に在学する生徒で、学業、人物ともに優

 秀で進学を希望するが、経済的理由により進学を断念する

 ことのないよう、進学前に奨学生の予約採用を行い、高校・

 高専へ進学後ただちに本採用となる。

  採用は、中学校長の推薦により面接のうえ、支部選考委

 員会の議を経て予約採用される。

   募集は、年1回で4月。

   奨学金月額(別表1参照)

   採用人員 (別表3参照)

 3) 大学特別奨学生(予約採用)

   高等学校最高学年に在学、または卒業後1年以内の者

  で、優秀な資質を有するが、経済的理由により修学が困

  難な者に対し、進学前に奨学生の予約採用を行い、大学

  へ進学後ただちに本採用となる。

   採用は、高等学校長の推薦により面接のうえ、支部選

   考委員会の議を経て予約採用される。

   募集は、年1回で4月。

   奨学金月額(別表1参照)

   採用人員(別表3参照)

 4) 教育特別奨学生(予約採用)

   義務教育教員の資質向上に資するため、将来優秀な教

   員としての資質を有する学生を、自立大学の教員養成学

   部に誘致することを目的とする制度。

   対象は前記3)と同様であるが、面接は行わず、高等学

  校長の推薦により、支部選考委員会の議を経て予約採用

  される。

   募集は、年1回で4月。

   奨学金月額(別表1参照)

   採用人員(別表3参照)

   (注) この適用を受ける私立大学に、文教大学、聖徳学

    園岐阜教育大学、常葉学園大学がある。

(3) 奨学金の交付

  奨学金は、毎月1回、直接本会より奨学生個人の銀行預

 金口座に振込まれる。

(4) 奨学金の返還

 1) 奨学金の返還は、卒業の6ヵ月後から20年以内の年賦

  による。

   返還は、貸与総額に対応する返還年賦額により行う。

   利子はつかないが、返還がとどこおった年賦額につい

  ては、6ヵ月毎に5%の延滞金が課せられる。

 2) 卒業後、上級学校に進学したとき、災害、病気または

  経済的理由等により返還が困難になった場合は、願い出

  によって一定期間返還が猶予される。

(5) 奨学金の返還免除

 1) 特別貸与による奨学金の返還免除

   特別貸与による奨学金は、一般貸与に相当する額を、

  所定の期限までにとどこおりなく返還すれば、残額は返

  還が免除される。

 2) 死亡・心身障害による返還免除

   本人が死亡または不具、廃疾等により返還能力を失っ

  たときは、願い出により返還が免除される。

 3) 教育職就職による返還免除

   大学、大学院の奨学生であった者が、小・中・高校・

  大学、その他学校教育法に定める教育職に、2年以上従

  事した場合は、勤務年数に応じ、奨学金の一部または全

  部が免除される。

 4) 教育研究職就職による返還免除

   大学院の奨学生であった者が、大学や特定の試験所、

  研究所、文教施設等で研究の職に一定年限従事した場合

  は、上記3)同様返還が免除される。

(6) 奨学生の補導

  本会の事業は国費で営まれており、奨学生の将来には社

 会の期待がかかっていることを自覚させるため、本会と奨

 学生との関係を単に経済的なものにとどめず、精神的なつ

 ながりを持たせ、充実した生活を送るよう種々の方法に

 よって補導している。これらの方法として「面接・相談・

 座談会」「学習状況・健康・生活状況の調査」「成績不振者

 激励」などを行う一方、機関誌”育英”を発行している。

  また、奨学生の外部組織として、卒業生によって結成さ

 れた「育英友の会」の全国的な組織がある


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