教育年報1983年(S58)-199/323page
保健体育
第1節 概 要
第2次福島県長期総合教育計画、第2期実施計画に基づき
保健体育課においては、昭和58年度福島県教育委員会重点施
策の一つである「健康と体力の向上をめざす社会体育の推進」
を柱として、体育・保健・安全・給食の各分野において相互
に連携を密にしながら各施策の推進を図った。その概要は次
のとおりである。
1 学校体育の充実
学校体育担当教員の資質の向上のため、各種体育実技講習
会を開催するとともに、学校体育指導の手引き(高等学校総
則編)を発刊し、指導資料の提供に努めた。
児童・生徒の体力の向上については、学校体育指導の手引
きを資料として、創意を生かした教育活動並びに活動の時間
における体育的活動の推進を図った。
また小学校運動競技奨励事業を拡充し体力の向上を図るほ
か、文部省指定の「体力つくり推進校」「格技指導推進校」県
教委指定「体力つくり研究推進校」の実践研究及び公開発表
を契機として体力の向上の推進に努めた。
県下児童・生徒の体力・運動能力の実態を把握するため、
スポーツテストを全児童・生徒に実施した。また本年度は高
等学校において新指導要領実施学年進行二年目になり、小・
中・高校それぞれについて趣旨の徹底を図った。
2 学校保健の振興
学校における保健教育、保健管理の充実を図るために学校
保健関係教員を対象として、保健主事講習会(県内2地区)、
保健安全指導者資質向上講習会(県内2地区)、児童・生徒疾
病異常対策研究会(県内2地区)、新採用養護教諭研修会(県
教育センター)、養護教員経験者研修会(県教育センター)、中
堅養護教諭研修会(県教育センター)等を開催し、資質の向
上に努めた。
また、教職員、児童・生徒の疾病・異常者の早期発見に努
めるとともに学校保健委員会の設置促進と活動の活発化を図
り、学校保健の充実に当たった。
さらに、児童のむし歯予防の実践的研究を推進するため昭
和57〜59年度の3年間、喜多方市立松山小学校を研究指定校
として依頼し、児童のむし歯予防の推進に努めている。
3 学校安全の徹底
学校の安全教育、安全管理の強化を図るため、保健安全指
導者資質向上講習会(前掲)、交通安全教育指導者講習会(県
内3地区)、高等学校生徒自転車・二輪車安全運転講習会(延
46校、13,206名)を開催した。
また、高校生の自転車・二輪車安全運転を推進するため学
校訪問(10校)を実施するとともに高校生の交通安全指導資
料(高校生のための自転車安全運転の手引・高等学校交通安
全指導資料)を各高等学校に配布し指導の充実に努めた。
4 学校給食の改善充実
本年度の学校給食の実施状況を児童生徒数で見ると、完全
給食は小学校0.3ポイント、中学校1.1ポイント、それぞれ上
昇し、小学校で97.4%、中学校では75.3%の実施率となった。
米飯給食は小・中学校ともに実施率は100%となった。米飯
の回数は週当り平均2.3回となっており全国平均を上回って
いる。
また、学校給食費は小学校196円04銭、中学校229円20銭と
なっており、全国平均をかなり上回って値を示している。
前年度と比較した上昇率は、小学校1.8%中学校2.1%と
なっている。
学校給食の適正な運営改善充実及び給食関係職員の資質向
上を図るため、各種の研修会等を開催し所期の目的達成に努
めた。更に食中毒や労働災害等の事故防止を図るため、文書、
研修会等により衛生思想の啓蒙、安全管理の指導について努
めた。
また、地域の特性に根ざした学校給食を実現するため学校、
家庭、地域との連携推進事業の強化を図った。
5 県研究大会の開催
幼児・児童・生徒の健康増進と体力の向上を目指すととも
に、学習指導の改善充実を図るため、第7回福島県学校体育・
保健・安全・給食研究大会が約800名の参加を得て、郡山総
合体育館を主会場にして2日間の日程で開催し、所期の目的
を達成した。
6 社会体育の振興
県民の多様化しつつあるスポーツ活動への欲求に対応する
ため、野外活動並びにスポーツ活動指導者等を対象とした各
種講習会、研修会を開催し、指導者の養成と資質の向上に努
めたほか、本年度新規事業として、低年齢層ブロック別スポー
ツ教室と運動に親しむ習慣の養成に努めた。
また、県総合体育大会、社会人(職場)スポーツ大会をは
じめ、各種競技会を開催し、県民スーツの振興を図るととも
に、国民体育大会及び東北総合体育大会に選手団を派遣し、
競技力の向上と志気の高揚に努めた。特に本県で開催された
東北総合体育大会では、総合優勝するなど県民の期待に応え
た。
さらに、本年度行われた世界選手権自転車競技大会など、
各種国際競技大会に14名の選手を派遣したほか、スポーツ少
年団活動の育成・指導を図るとともに、日独スポーツ少年団
同時交流事業に積極的に取り組み、国際親善への役割を果た
した。
7 体育施設の整備
県民の地域スポーツの振興等を図るため、昭和56年度から
3ヵ年継続事業により県営白河体育館を建設し、昭和58年7
月開館した。