教育年報1983年(S58)-289/323page
福島県立図書館
第1節 概 要
1 運営の重点
県民の情報センターとして数多くの資料を収集整理し、県
民に提供しているが、新館開館を一年後に控え、なお一層図
書館資料等の収集整理保存につとめ、県内市町村図書館、公
民館図書室、その他の機関と協力提携して、図書館奉仕網の
整備拡大と利用者への積極的な情報、調査研究資料の提供に
努めた。
(1) 図書館資料の整備
県民の情報センターとして各分野にわたる資料を計画的
に収集整理を行ない、充実を図った。県人の著作物ならび
に郷土資料については、その種別を問わず可能な限り収集
し、利用の促進を図るとともに、県民の文化財として保存
につとめた。
(2) 調査相談業務の積極化
県内外から寄せられる各種質問等(レファレンス)に応
えるために、各分野にわたる二次資料を整備し、調査業務
の迅速的確化を図った。県民の資料利用を拡大するため
に、県内外の図書館との資料の相互貸借と、複写業務を一
層活発に進めた。
(3) 移動図書館車の運用
市町村に対する図書資料の貸出しを行ない、地域の実情
に応じた運用を図り、読書普及活動につとめた。利用団体
等の実情に即した配本につとめた。
(4) 親子読書文庫の推進
児童に対する読書普及を目的とし、各管内に実施地区を
設け、関係者に適切な助言を行って、文庫活動の推進を図っ
た。児童の情緒発達段階に応じた各分野にわたる図書を厳
選して編成した。
(5) 読書普及活動の推進
各地の読書講座(読書会、講習会、読みきかせ等)、文庫
活動等に対して、常に職員を派遣して助言指導を行ない、
その活発化を図った。
2 図書館協議会
本年度の委員は次の方々で、4回開催した。
(1) 委 員
成井正美 福島県議会議員
小林忠道 福島商工会議所専務理事
山本ナカ 福島県婦人団体連合会長
田中寛之 NHK福島放送局長
今野康夫 福島県青少年団体連絡協議会長
今泉修蔵 福島県公民館連絡協議会長
舘光雄 福島県中学校長会長
飯島護 福島県高等学校長協会長
鈴木完一 福島県社会教育委員の会議議長
堀口知明 福島大学教育学部教授
(2) 協議会の開催
第1回 昭和58年8月19日
・図書館協議会について
・図書館の組織・機構について
・県立図書館の運営方針と事業計画について
第2回 昭和58年11月24日
・県立図書館の移転作業について
第3回、4回 昭和59年2月23日〜24日
・県立図書館の運営方針について
・県立図書館設置条例について
・県立図書館利用規則の改正についで
・県立図書館の組織について
・昭和59年度県立図書館の事業計画について
・昭和59年度県立図書館当初予算の概要について
(会場はいづれも福島県労働福祉会館)
第2節 整理事務
1 図書館資料の収集
(1) 一般資料の収集
今年度も引き続いて、基本図書・参考図書の充実に努め
た。基本図書の一部に、「講座日本思想」「地域社会と文化」
「昭和財政史」「日本貧困史」「日本人と東南アジア」「沖
縄民俗学の方法」「現代社会主義の農業問題」「日本古代仏
師の研究」「新修中国詩人選集」などの図書がある。
参考図書の主なものとしては、「日本古典文学大事典」「中
国人名辞典」「ハングル大辞典」「タイムス海洋大地図」「J
ISハンドブック」等がある。
全集・資料集の主なものでは、「日本古文書学講座」「現
代都市政策叢書」「戦後日本教育史料集成」「日本仏教民俗
基礎資料集成」「新村出全集」「特産シリーズ」等がある。
美術書では、「密教美術大観」「日本画素描大観」「現代
日本の陶芸」「中国石窟」等がある。
寄贈図書のなかには、基本的な統計書の一つである「世
界農林業センサス 1980」や、その他「朝鮮関係資料目録」
「日中友好運動史」「日本公園緑地発達史」「日本の治山」「日
本地震資料」等がある。
受入れ状況は(表1)のとおりである。
〔表1〕資料の受入れ整理状況 (昭和58.4〜59.3)
区分 購入 寄贈 編入 管理換 計 ―般図書(館内)
(館外)4,421
4,6903,358
2,672220 9 8,008
7,362児童図書(館内)
(館外)1,350
4,199448
2,741― ― 1,798
6,940新館用図書(館内) 12,600 ― ― ― 12,600 小計(館内)
(館外)18,371
8,8893,806
5,413220 9 22,406
14,302合計 27,260 9,219 220 9 36,708