教育年報1983年(S58)-290/323page
(2) 郷土資料の収集
郷土資料の収集には、今年度も力をいれた。復刻版のな
かに、「会津鑑」「楽翁公伝」「未来ふくしま」などがある。
今年度に収集した郷土資料のなかには、「岩崎敏夫著作集」、
「相馬原釜漁業協同組合史」「雪村」「福良窯」等の労作
が含まれている。
県人文庫としては、「民俗芸能の研究」(本田安次)ほか
を入手した。
さらに昭和56年度から引きつづいて、(財)福島県文化振興基金
で助成された図書が寄贈され、このなかには、
「歴史春秋17号」「松平定信」「新福島の和算」「小野町の民謡」
「榾郎句集」等がある。
(3) 新館用図書の収集
新館用図書として、基本図書・参考図書・児童図書の研
究書等を12,600冊収集した。
基本図書の一部に、「密教研究」「奈良平安時代の文化と宗教」
「韓国古代史研究」「朝鮮史」「ロシア史」「政友」
「西欧政治思想史」「爆発する大都市」「都市選書」
「戦後地方行財政資料」「アイヌ史資料集」「教育思潮研究」「核酸化学」
「原子力エネルギー変換」「草地農業論」「植物の耐凍性と寒冷適応」
「育種学」「地場産業の発達」「水産学シリーズ」
「美術研究」「美術新報」「日本仏教芸能史研究」
「日本古代の伝承文学の研究」「万葉集の諸相」「源氏物語の思想」
「日本漢詩」「韓国古典文学選集」等がある。
参考図書には「空海大字林」「統計集誌」
「大正期鉄道資料」などを含んでいる。
児童図書の研究資料には「日本児童問題文献選集」
「児童研究」などの資料がある。
2 図書館資料の整備
(1) 資料の収集
新館用図書の収集については、資料的な単行本を中心と
し、部門別では、これまで収書の少なかった自然科学・工
学・産業部門について、産業部門では特に農業関係図書の
収集に努力した。雑誌の復刻されたものの収集についても
留意した。
逐次刊行物(雑誌類)については、各部門の専門誌を整
備して欲しいという要望がつよかったが、利用の少ないもの
および休刊となったもの、計13誌の更新にとどめた。これ
はこれまでのバックナンバーの蓄積を大事にしたいという
ことでもある。
(2) 特殊文庫について
中島文庫および佐藤清太文庫の整理作業を進めた。
(3) 視聴覚資料の収集について
郷土資料としての視聴覚資料を収集したが、レコードの
主なものに、「伊藤久男全集」「鈴木正夫民謡ベストアルバム」、
フイルムの主なものに、「相馬をよみがえらせた富田高慶」
「百年を流れる安積疎水ファンドールン」、ビデオ
テープの主なものに、「桧枝岐歌舞伎」
「金沢(福島市松川)羽山ごもり」などがある。
(4) 蔵書目録の作成について
増加図書目録(昭和56-57年度)、これは整備用図書を含
むもので、印刷用原稿、本文14,365枚、索引37,827枚の作
成をおこなった。
第3節 館内奉仕
概 要
公共図書館の奉仕は、幼児から高齢者までを対象に、だれ
でも、いつでも、どこでも、気軽に図書館資料が利用できる
よう配慮し、多様化する住民の情報要求に応えていくことで
ある。
館内奉仕は、奉仕活動の一つであって、施設内での奉仕を
主とし、直接来館した利用者が対象となる。業務の内容は、
館内閲覧(図書館が所蔵する全資料を対象とする)、調査相談
(利用者の研究・調査を援助する)、資料の複写、展示などで
ある。
さらに、直接来館できない利用者に対しては、電話や文書
での調査相談、資料の複写などの要求にも応じている。また、
当館所蔵資料の利用要求に対しては、相互貸借によって利用
の途を開いている。
本年度の利用状況等は次のとおりであるが、新館への移転
準備等のため、2月28日をもって貸出を中止した。また、こ
の統計には、簡易な調査相談や自由閲覧資料(一般図書、参
考図書、新聞、雑誌、児童図書、特許公報類などの公開資料)
の利用は含まれていない。
開館日数277日(内貸出日数252日)、調査相談件数1,094件、
館外貸出登録者数5,292人、館外貸出利用冊数84,460冊、
館外貸出利用者数27,892人、館内利用冊数21,837冊、
館内利用者数4,987人、特許関係相談件数176件、
相互貸借件数52件、特別貸出件数299件、複写件数2,670件。
1 図書の利用
(1) 調査相談
研究・調査についての資料調査や相談、生活や仕事上で
の参考質問に対して資料・情報を提供する調査相談業務
は、今後ますます強化されなければならない。それには、
これに対応する専門職員の配置と定着化、質的向上ならび
に豊富な資料の収集が基本的な要件となる。
調査相談業務は、直接来館した利用者からの依頼と、直
接来館できない利用者からの電話、文書による依頼をうけ
て、参考文献の紹介、図書館資料の検索、専門機関等につ
いての情報提供、利用上の協力などを行っている。
本年度の調査相談の処理件数は表〔2、3〕のとおりで
ある。
(2) 館内閲覧
館内閲覧は、一般資料、郷土資料、参考図書、新聞、雑
誌、特許公報類、マイクロ資料、児童図書など、図書館が
所蔵するすべての資料を対象に行っている。
本年度の利用状況は表〔3、4〕のとおりである。
館内閲覧のために、本年度は次の閲覧室を設けている。
(イ)成人閲覧室 24席
(ロ)参考図書閲覧室 26席