教育年報1984年(S59)-155/287page
文化
第1節 概 要
県教育委員会では、豊かな風土と文化に支えられたうるお
いのある生活の実現を求める県民の意識を背景に、先人の残
した伝統的文化を継承しつつ、新しい文化を創造発展させる
ため、"伝統を生かし創造性をはぐくむ文化活動の推進"をス
ローガンに「文化活動の充実」、「文化活動指導者の養成確保」、
「文化施設の整備充実」、「文化の伝承の充実」を4本の柱と
し、県民の自主性と創意性を尊重しながら、文化活動を更に
活発にするための条件整備を積極的に展開したが、その成果
は次のとおりである。
1 文化活動の充実
(1)地域文化活動の促進
県芸術祭は、主催行事に加えて各種の芸術文化行事の参
加を得て、県内各地において実施され、地域の芸術文化活
動の促進に大きな成果をあげた。
(2)芸術鑑賞機会の充実
移動芸術祭をはじめ、こども・青少年芸術劇場、県展移
動展など各種芸術鑑賞機会の充実に努めた。
(3)芸術活動発表機会の充実
県展、県文学賞の実施と文化振興基金の利用を通じて、
芸術文化活動発表機会の充実に努めた。
(4)文化振興基金の活用
県民の文化活動の活発化に伴い、文化振興基金に対する
利用件数も増加し、多くの県民の文化活動促進のための推
進力となった。
2 文化活動指導者の養成確保
芸術セミナーを文学、彫塑、演劇、工芸、合唱の5部門で
実施し、地域文化活動指導者の養成に努めた。
3 文化施設の整備
(1)県立美術館、図書館の開設
昭和59年3月19日に建築工事を竣工した両施設は、4月
1日、新公所として発足し、一般公開は7月22日より行わ
れた。
(2)県立博物館建設の推進
昭和55年度より設置された文化施設整備室は、昭和58年
度には職員数も20名となったが、美術館担当学芸員の転出
により、昭和59年度は15名をもって、博物館の建設、準備
に努めた。
福島県立博物館収集展示委員による収集展示委員会2
回、展示委員会1回、専門委員会4回、計7回の会議を開
催し、映像資料計画、企画展構想、購入資料等の検討を行
つた。
また、建築工事は昭和59年7月7日に着工され、(株)清水建
設仙台支店、(株)会津土建、(株)秋山建設の共同企業体により、
昭和61年3月を完成目標に工事が進み、年度内の進捗状況
は、26.3%となった。
4 文化の伝承の充実
(1)文化財指定調査等の推進
文化財の保護を図るため、文化財基礎調査(昔話・伝説
の収録)をはじめ、歴史の道保存調査、猪苗代湖周辺の民
俗文化財調査等を実施し、県内に所在する文化財の実態を
把握するとともに、新たに7件(うち附指定1件)を県指
定文化財に指定し、1件を指定解除した。
(2)文化財保存の充実
指定文化財の保存修理、防災施設及び埋蔵文化財の発掘
調査等の事業に対する助成を行うとともに、国・県営農用
地開発に伴う開発地内遺跡の発掘調査及び記録保存を図る
など、文化財の保存の充実に努めた。
(3)文化財活用の推進
文化財に対する理解を深め、愛護思想の高揚を図るため
昨年度に引続き、県指定文化財の指定内容等を集録、解説
した「福島県の指定文化財」(要録)の写真撮影を実施した。
また、第34同県民俗芸能大会及び第5同県民謡まつりを開
催した。
さらに、文化財保護強調週間(11月1日〜7日)、文化財
防火デー(1月26日)を通じ、文化財保護に対する啓蒙に
努めた。
第2節 文化活動の促進
1 文化振興のための条件整備
(1)文化行政の推進
1) 市町村文化行政担当者会議
ア日 時昭和59年5月9日
イ、会 場県文化センター
ウ参加者123名
工 内 容
(ア) 文化課、県立美術館及び県文化センターの事業概
要
(イ)そ の 他
2) 芸術文化懇談会
本県文化の将来への発展のために、出席者より提言を
求め、県民文化の振興並びに県文化行政推進の参考とし
た。
○第 1 回
ア 日 時 昭和59年8月24目(金)
イ 会 場 福島県全逓会館
ウ 懇談事項 「県芸術祭のあり方について」
工 出 席 者
渡辺良雄、高橋藤吉郎、桜井誠、竹田正夫、上野英四郎、
川又恒一、五十嵐常三郎、今泉壮市、増田忍石、
三瓶宏、丹野清栄、宝玉義信