教育年報1984年(S59)-235/287page

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教育センター

  第1節概    要

 教育センターは、本県学校教育の向上発展に寄与するため

教育関係職員の研修、教育に関する専門的、技術的事項の調

査研究、情報処理教育、教育相談及び教育図書、資料の作成

収集、普及、活用などに関する事業を推進してきた。それら

の事業の概要は次の通りである。

(1)研修事業

  教育センターは、教育関係職員の専門的職能と資質の向

 上を図るために、第二次福島県長期総合教育計画に基づく

 研修計画のうち、幼稚園教育、学校経営、教育研究法、教

 育工学、各教科、道徳、特別活動、生徒指導、教育相談及

 び情報処理教育などに関する専門的内容についての研修事

 業を実施した。本年度は、教育現場における日常の実践活

 動との結び付きを更に深めた研修となるように、研修事業

 のすべてにわたって見直しを行い、講座内容の改善充実を

 図った。教育センターで本年行った研修講座は62講座で、

 講座開設回数は105回、研修講座定員は1,819人、研修延べ

 人員は2,280人に及んでいる。また、研修講座開催期間は、

 59年6月4月より60年2月7日までになっている。

(2)研究事業

  教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命

 を達成するため、広く全国的視野にたって教育の動向を見

 守り、本県が当面している教育上の課題や学校における、

 教育実践上の諸問題と関連する研究主題を設定し研究を進

 めてきた。これらの研究は所員並びに学校関係者の協力

 を得ながら、プロジェクトチームを組んでの共同研究とし

 て行ってきたものであり、内容は次のとおりである。

  1)学校経営に関する研究として、「学校の教育自標と教育

課程に関する研究―第1年次(3年継続研究)」2)学習

 指導に関する研究として、「学習指導と評価に関する研究

―関心・態度の評価―第2年次(3年継続研究)」「中

 学校理科の学習指導に関する研究―身近な素材を生か

 した理科指導―第1年次(2年継続研究)」3)福島県標

準学力診断検査問題に関する研究―小学校1〜3学年

社会・理科学力分析報告書の刊行、中学校1学年国語・数

学・英語の予備テスト実施、中学校1学年社会・理科検査

問題の作成、4)生徒指導に関する研究として、「児童生徒の

耐性に関する研究―第1年次(2年継続研究)」5)事例

 を通した教育相談の進め方に関する研究として、「反社会的

行動を持つ児童生徒への心理的な指導援助―第1年次

 (2年継続研究)」

  これらの研究成果は、紀要や資料として刊行し、学校及

び教育関係機関などに配布して普及を図った。また、研修

 と研究の一体化を図り、研修講座の内容を充実させるため

全所員が研究テーマをもって個人研究に励み、その結果を

研究報告書としてまとめた。更に研究内容の普及を図るた

め、本庁関係各課及び各教育事務所の指導担当者の出席の

 もと、所員による「研究発表会」を開催した。

(3)教育相談事業

  幼児・児童生徒の教育上の諸問題について、学校や保護

 者からの相談に応じ、その望ましいあり方について臨床心

 理学や科学的方法(遊戯療法、行動療法、カウンセリング

 等)により、診断・指導・治療・矯正などを行い、解決の

 ための援助を行った。また、移動教育相談を県南、会津、い

 わき、相双教育事務所管内で実施した。必要に応じ、関係

 教育機関、医療機関等との連携を図りながら教育相談を進

、めた。なお年間相談件数は1,769件であった。

(4)教育図書・資料事業

  県内教職員の教育実践活動に役立つ情報・資料を各学校

 に提供するため、教育の専門図書・資料を収集・整理・保

 管を行い研修者の利用に供した。また、所報・紀要を通し、

 研究・研修の成果を学校及び教育機関などに送付し、研究

 並びに実践活動の援助に努めた。教育諸問題に関する照会

 は、来談や電話・郵便によるものなど年間80件に達した。

(5)情報処理教育に関する研修及び実習

  大型電子計算機及びNC工作機械を使用して情報処理教

 育講座を実施し、129人が研修したほか、教員個人研修に延

 べ496人を受け入れ、更に高校生延べ3,513人の実習が年間

 を通して行われた。郵送による利用は、延べ942人を数えた。

  第2節教職員研修

 昭和59年度は、県教育委員会が教職員研修の体系化と効果

的な推進を図るために策定した「教職員現職教育計画」の実

施第6年次に当たり、教育センターと本庁関係各課との教職

員研修に関する連絡調整も例年通り極めて円滑に行われ、研

修計画の実施・運営を予定通り進めることができた。教育セ

ンターは、県教育委員会が行う基本・専門・特別の3研修区

分のうち、「専門研修」を担当しているが、各研修講座、受講

の成果が教職員一人一人の自己研修にまで発展するとか、校

(園)内研修の充実につながることを期待して、特に研修内

容の吟味に努めた。その概要は次の通りである。

(1)研修講座内容の改善・充実

 1) 研修講座全体について、学習指導要領の目標や指導内

  容を吟味して講座の内容を構成するとともに、当面する

  学校の教育課題や要請にこたえるよう、研修内容の再検

  討を行い、内容の充実した、しかも魅力あるものとなる

  ように努めた。

 2) 研修形態についても、講義中心になることを避け、研

  究協議、実技、実習、実験・観察、演習、調査などを、

  講座内容の特性に応じて取り入れるようにし、研修内容

  の多様化を図りながら、研修効果を高めるよう配慮した。

   また、講師・助言者についても、県の内外にわたって

  幅広く人選し、多彩な指導陣により講座内容を一層充実

  させるように努めた。

3) 小学校の教科に関する講座については、小学校は学級

  担任が全教科・領域にわたって指導を担当する現状を考



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