教育年報1985年(S60)-123/279page
社会教育
第1節社会教育一般
1 概 要
県民が、今日のような著しい社会の変化に対応していくた
めには、一人一人が、自己にもっとも適した手段・方法
を選んで、生涯にわたって学習し、人間として豊かに生き
るため新しい生活課題に積極的に取り組み、絶えず自己啓
発に努めることが極めて重要である。
そこで、県教育委員会においては、社会教育の一層の充実
と振興を図るため、「第3次福島県長期総合教育計画」及び
この計画の「第一期実施計画」に基づき、昭和60年度社会
教育行政施策の重点を次のように設定し、社会教育の機会
の拡充と事業の充実に努めた。
(1) 社会教育活動の振興
1) 家庭教育活動の振興
家庭教育の充実を図るため、家庭教育(幼児期)相談
事業、家庭教育総合推進事業等の充実に努めるとともに、
家庭教育学級を拡充するよう市町村の指導に当たる。
2) 青少年教育の充実
青少年教育の充実を図るため、青少年ボランティア参
加促進事業等の充実に努めるとともに、少年教室、青年
学級、青年教室の末開設町村の解消に努め、青少年の学
習機会を拡充するよう市町村の指導に当たる。
3) 成人教育の充実
成人教育の充実を図るため、成人大学移動講座を開設
し、より質の高い学習機会の提供に努めるとともに、成
人、婦人、高齢者の学習要求及び実態に対応した学級・
講座を開設し、学習機会を拡充するよう市町村の指導に
当たる。
(2) 社会教育推進体制の充実
1) 社会教育関係職員の確保と資質の向上
ア 専任社会教育主事の未設置町村の解消に努めるとと
もに、派遣社会教育主事制度の存続を図り、計画的な
派遣を行い、社会教育主事の自主設置を促進する。
イ 社会教育関係職員の資質の向上を図るため、研修会
等の充実に努めるとともに、県などにおいて行う職員
研修に積極的に参加するよう市町村の指導に当たる。
2) 民間有志指導者の養成と活用
民間有志指導者の養成と活用を図るため、高齢者人材
活用事業など研修会等の充実と指導者の活用に必要を情
報・資料の提供に努める。
3) 社会教育関係団体の育成
青少年団体、婦人団体、PTA等の組織の拡充と指導
者の養成に努めるとともに、地域活動の活発化を促進す
る。
(3) 社会教育施設の整備充実
1) 県立図書館の整備充実
図書館資料の整備充実を図り、県民の多様な学習要求
に答えられるよう図書館機能の拡充に努める。
2) 公民館の整備促進
「公民館の設置及び運営に関する基準」を踏まえ、地
域における生涯教育の中心施設にふさわしい公民館の整
備充実に努めるよう市町村の指導に当たる。
3) 県立少年自然の家の設置推進
少年自然の家の未設置地区であるいわき地区への設置
を推進する。
2 市町村社会教育主事等研修会
(1)趣 旨
市町村社会教育主事、公民館主事等に社会教育に関する
専門的知識・技術の習得の機会を提供し、市町村における
社会教育行政担当者としての資質の向上を図る。
(2) 期日・会場・参加者数
1) 期 日 昭和60年9月3日〜6日3泊4日
2) 会 場 福島県婦人会館
3) 参加者 80名
(3) 講師・助言者
1) 講 師
立教大学教授 岡本包治
福島大学教育学部教授 庄治他人男
福島大学教育学部助教授 町井輝久
NHK福島放送局副部長 飯田忠義
2) 助 言 者
県教育庁文化課員
県教育庁保健体育課員
県教育庁社会教育課員
(4) 参加 者
市町村社会教育主事、公民館主事(4年以上の経験者)
(5) 内 容
1) 本県の生涯教育推進体制
2) 市町村の生涯教育推進体制
3) 市町村の生涯教育推進上の課題
4) 生涯スポーツの推進
5) 文化の学習と文化行政
6) 生涯学習援助の視点
7) 生涯教育と指導者
8) 生涯教育と家庭教育
9) 生涯教育と情報提供
10) 放送利用と社会教育
11) 視聴覚教材と学習展開
12) 社会教育活動と補助金
3 福島県市町村社会教育委員研究集会
(1) 趣 旨
生涯学習時代を迎え「地域住民の多様な学習課題に対応
し、より豊かで生きがいのある学習の場を提供する」社会
教育への期待は高まっている。
この時に、社会教育の現状をみつめ、これからの社会教