教育年報1985年(S60)-159/279page

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保健体育

 第1節概    要

 「第3次福島県長期総合教育計画」及びこの計画の「第1

期実施計画」に基づき、保健体育課においては、体育・保健

安全・給食の各分野の相互連携を図りながら昭和60年度福島

県教育委員会重点施策の一つである「健康で活力ある生活を

めざす保健体育・スポーツの推進」を柱として各施策の推進

を図った。

 さらに、昭和70年に本県で開催される第50回国民体育大会

の開催準備を円滑に推進するため、第50回国民体育大会福島

県準備委員会を設立し開催方針等を策定し、本格的な準備に着

手した。

 1 学校体育の充実

 学校体育担当教員の資質向上のため、格技(柔道・剣道)段

位認定講習会をはじめ、各種体育実技指導者講習会を開催し

た。特に、教職員を対象とする講習会には民間の優れた指導

者を派遣するとともに、児童・生徒を対象とする指導協力事

業には豊富な経験を持つ民間指導者を学校に派遣して、児

童・生徒の運動技能の向上及び教職員の指導力の向上を図っ

た。

 また、県教委指定の集団安全行動推進校(小・中各1校)の

3年間の研究推進をはじめ、文部省指定の「体力つくり推進

校」「格技指導推進校」県教委指定「体力つくり研究推進校」

の実践研究及び公開発表を契機として、その成果を地域の学

校に普及させるとともに、県下児童・生徒の体力・運動能力

の実態を把握するためのスポーツテストを実施し、その分析

結果を十分に活用し、各学校の実態に応じた体力つくりの推

進を図った。

 さらに、小学校運動競技奨励事業を拡充し、陸上及び水泳

の基礎的な運動能力の向上を図った。

 2 学校保健の充実         

 学校における保健教育・保健管理の充実を図るために学校

保健関係教員を対象として、保健主事・養護教員講習会(県内

2地区)、保健教育・安全教育指導者研修会(県内2地区)、新

採用養護教諭研修会(県教育センター)、養護教員経験者研修

会(県教育センター)、中堅養護教諭研修会(県教育センター)

等を開催し、資質の向上に努めた。

 また、教職員、児童・生徒の疾病・異常者の早期発見に努

めるとともに学校保健委員会活動の活発化を図り、学校保健

の充実に努めた。

 更に、児童のむし歯予防の実践的研究を推進するため昭和

60〜62年度の3年間、いわき市立四倉小学校を文部省の研究

指定校として依頼し、児童のむし歯予防の推進に努めた。

 3 学校安全の徹底

 学校における安全教育・安全管理の強化を図るため、保健

教育・安全教育指導者研修会(前掲)、交通安全教育指導者研

修会(県内3地区)等を開催し、資質の向上に努めた。

 また、小・中学校を対象に「安全に関する図画・作文・習

字・交通安全ポスター」の募集を行い、「国民安全の日」制定

の趣旨の普及徹底を図った。

 4 学校給食の改善充実

 本年度の学校給食の実施状況を児童生徒数で見ると、完全

給食は小学校0.2%、中学校0.6%上昇し、小学校で97.6%、

中学校では76.5%の実施率となった。米飯給食は小・中学校

ともに実施率は100%である。米飯の回数は週当り平均2.3

回となっており全国平均を上回っている。

 また、学校給食費は小学校201円52銭、中学校236円09銭と

なっており、全国平均をかなり上回った値を示している。前

年度と比較した上昇率は、小学校1.6%、中学校2.2%となっ

ている。

 学校給食の適正な運営改善充実及び給食関係職員の資質向

上を図るため、各種の研修会等を開催し所期の目的達成に努

めた。また、県教委指定の学校給食改善研究校(場)2か所を

設け、給食の改善、充実に努めた。更に食中毒や労働災害等

の事故防止を図るため、文書、研修会等により衛生思想の啓

蒙、安全管理の指導に努めた。また、地域の特性に根ざした

学校給食を実現するため学校、家庭との連携推進事業の強化

を図った。

 5 県研究大会の開催

 第9回福島県学校体育、保健、安全、給食研究大会・第20

回東北学校保健大会を原町市体育館を主会場として3日間の

日程で東北各県をはじめ、県内関係者約550名の参加を得て開

催した。

 大会主題「健康で活力に満ちた生活をめざして」に基づき、

幼児・児童・生徒の健康増進と体力の向上を図るため、学校

体育、保健、安全及び学校給食の諸問題について研究協議し、

多くの成果を収めた。

 6 社会体育の振興    

 県民の質草ともに多様化しつつあるスポーツ活動への欲求

に対応するため、野外活動並びにスポーツ活動指導者等を対

象とした名種講習会、研修会を開催し、指導者の養成と資質

の向上に努めたほか、小学生スポーツ教室、スポーツ功労者

等派遣事業(テニス教室)を実施し、小・中・高校生のスポー

ツ活動の推進に努めた。

 特に本年度は、開設2年目を迎えた婦人スポーツ指導者講

習会の内容の充実を図り、4地区において開催し、地域にお

ける婦人のスポーツ活動の推進に努めた。

 また、県総合体育大会、社会人(職場)スポーツ大会をはじ

め、各種競技会を開催し、県民スポーツの振興を図るととも

に、国民体育大会及び東北総合体育大会に選手団を派遣し競

技力の向上と志気の高揚に努めた。



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