教育年報1986年(S61)-040/213page
少ない傾向にある。今後中堅教員を計画的にへき地に配
置していく必要がある。
また、へき地に勤務する教職員の優遇策や地元の受入
れ体制の整備充実にいっそう努力する必要がある。
2) 都市・平地とへき地との人事交流を推進すること。
へき地勤務未経験者を解消するため、これまでも計画
的に平地、へき地の交流を推進してきたが、なお都市部
に未経験者が多い。今後いっそう計画的、広域的交流を
推進する必要がある。
3)施設・設備の充実と学習指導法の改善を図ること。
教育機器の導入、施設、設備、教材教具等の充実及び
複式学級教材構成資料(県版)の活用を図り、学習指導
法を改善し、教育水準の向上を図る必要がある。
第2節 学校 教 育
1 概 要
(1)指導行政の基本方針
第3次福島県長期総合教育計画の第1期実施計画の2年
度に当たり、「未来をひらく 心ゆたかな たくましい人
間」の育成を目指し、教育課程及び学習指導要領の趣旨に
基づき、学校生活にゆとりと充実を実現し、児童生徒の自
己教育力の育成並びに、個性や能力の伸長等を十分配慮し
た創造的な教育活動の展開を図った。
(2)指導組織
義務教育課指導担当主幹、主任指導主事ほか11名の指導
主事と、各教育事務所指導課長、指導主事、各市・町教育
委員会指導主事及び指導委員によって、幼稚園、小学校、
中学校の指導に当たった。
県北 県中 県南 会津 南会津 相双 いわき 指導主事数(指導課長を含む) 8 9 7 9 5 7 8 市・町教育委員会指導主事数 10 12 1 4 0 2 7 教科等指導委員数(養護教育を含む) 7 7 8 7 10 8 7 生徒指導委員数 3 4 2 3 1 2 2 学校体育指導委員数 2 2 1 2 1 1 1 (3)学校教育指導の重点
現行学習指導要領が実施されてから、小・中学校におい
て、それぞれ7年目、6年目を迎えた本年度は、教育活動
の一層の質的充実を目指し、教育課程の改善充実、生徒指
導の充実を図った。
1)一人一人の児童生徒の個性・能力の望ましい伸長と、
知・徳・体の調和のとれた児童生徒の育成を目指し、教育
内容の充実と、指導方法の改善に努めた。
ア 学校教育の指導の重点を明確にした。
広報誌「教育福島」で、次のことを課題として明示
した。
学校教育指導の重点(2・3月号)、積極的な生徒指
導をめざして(6月号)、豊かな人間性をはぐくむ学校
教育(8月号)、未来を拓く進路指導の充実(9月号)、
学習指導の展開(12月号)
イ 小学校・中学校教育課程運営改善講習会を開催し、
各教科主任等を対象に、各学校が編成した教育課程の
検討と運営改善についての研修を行い、学習指導要領
の趣旨の徹底と、教科運営の改善、向上に努めた。
ウ 教育課程研究協議会を小・中学校教育研究会との共
催で開催し、教育課程実施上の諸問題を研究し、その
改善充実に努めた。
エ 各種研究学校(地区)を指定し、指導内容・方法の
研究を推進するとともに、その改善に努めた。
ア) 教育課程研究指定校(小学校2校、中学校2校)
イ) へき地教育研究指定校(小学校2校)
ウ) 勤労生産学習研究指定校(小学校2校、中学校1
校)
オ 道徳教育、進路指導の研究学校(地区)を指定し、
指導の充実徹底に努めた。
ア) 道徳教育協同推進地区(1地区)
イ) 道徳教育学校・家庭連携推進校(小学校1校、中
学校1校)
ウ) 進路指導研究指定校(中学校1校)
カ 指導職員の資質向上のため、研修の充実に努めた。
ア) 指導職員研究協議会(2回)
イ) 指導職員研修講座(1回)
ウ) 指導課長会議(3回)
2)教職員の資質と指導力の向上に努めた。
ア 教職員研修の充実に努めた。
ア)幼・小・中新採用教員・事務職員、教職経験者、
新任教務主任、教頭(新任、5年経験)、新任校長等
研修会の実施
イ) 中央研修講座への派遣
ウ)教員海外派遣の実施
エ) 教育研究団体に対する援助と指導
オ)長期研修生(内地留学)の派遣
カ) 公立幼稚園・小・中・養護学校教職員論文の募集
キ) 自主的研究グループヘの援助
ク) 英語指導主事助手の学校訪問指導
3)へき地教育、幼児教育の振興に努めた。
ア 複式学級担任、免許外教科担任教員の研修の充実に
努めた。
ア) 中学校免許外教科担任教員研修会
イ) へき地教育担当教員研修会
ウ) へき地教育指導者講座、全国へき地教育研究大会
イ 幼稚園教育担当教員研修の充実と、指導力の向上に努
めた。
ア) 幼稚園教育課程研究集会、幼稚園教育指導者講座、
幼稚園実技講習会
イ) 幼稚園教育指導資料(「豊かな保育一保育環境一」
園舎・園庭を生かして)の作成と配布
4)生徒指導の充実に努めた。
ア 各種研修会を実施し、指導の充実に努めた。