教育年報1986年(S61)-116/213page

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保健体育

第1節 概     要

 「第3次福島県長期総合教育計画」及びこの計画の「第1

期実施計画」に基づき、「未来をひらく、心豊かな、たくまし

い人間」の育成をめざして、保健体育課においては、体育、

保健・安全、給食の各分野の相互連携を図りながら昭和61年

度福島県教育委員会重点施策の一つである「健康で活力ある

生活をめざす保健体育・スポーツの推進」を柱として各施策

の推進を図った。

 さらに昭和70年に本県で開催される第50回国民体育大会の

開催準備を円滑に推進し増大する業務に対処するため、保健

体育課内に国体準備室を設置した。

1 学校体育の充実

 学校体育担当教員の資質向上のため、格技(柔道・剣道)

段位認定講習会をはじめ、各種体育実技指導者講習会を開催

した。特に、教職員を対象とする講習会には民間の優れた指

導者を派遣するとともに、児童・生徒を対象とする指導協力

事業には豊富な経験を持つ民間指導者を学校に派遣して、児

童・生徒の運動技能の向上及び教職員の指導力の向上を図っ

た。

 また、県教委指定の集団安全行動推進校(小・中各1校)

の3年間の研究推進をはじめ、文部省指定の「体力つくり推

進校」「格技指導推進校」、県教委指定「体力つくり研究推進校」

の実践研究及び公開発表を契機として、その成果を地域の学

校に普及させるとともに、県下児童・生徒の体力・運動能力

の実態を把握するためのスポーツテストを実施し、その分析

結果を十分に活用し、各学校の実態に応じた体力つくりの推

進を図った。

 さらに、小学校運動競技奨励事業を拡充し、陸上及び水泳

の基礎的な運動能力め向上を図った。

2 学校保健・学校安全の充実

 学校における保健教育・保健管理の充実を図るため、学校

保健関係教員を対象に、保健主事・養護教諭講習会をはじめ

保健教育・安全教育指導者研修会、新採用、5年経験、中堅

の各養護教諭研修会等を開催し、資質の向上に努めた。

 また、教職員、児童・生徒の疾病・異常者の早期発見に努

めるとともに、学校保健委員会の活性化に努めた。

 更に、児童のむし歯予防の実践研究を推進するため、昭和

60年度から3年間、文部省指定の研究指定校1校を指定し、

むし歯予防の推進に努めた。

 次に、学校における安全教育・安全管理の徹底を図るため

学校安全関係教員を対象に、保健教育・安全教育指導者研修

会、交通安全教育指導者研修会等を開催し、資質の向上に努

めた。

 また、小・中学校、高等学校の児童・生徒を対象に「安全

に関する図画・作文・習字・交通安全ポスター」の募集を行

い、「国民安全の日」制定の趣旨の普及徹底を図った。

3 学校給食の改善充実

 本年度の学校給食の実施状況を児童生徒数で見ると、完全

給食は小学校で97.6%、中学校では77%の実施率となった。

また米飯給食は小・中学校とも完全給食実施校では100%の

実施率となっており週当り回数は平均2.5回である。

 次に学校給食費は小学校203円23銭、中学校238円46銭と

なっており前年度と比べ小学校0.8%、中学校1.O%の上昇

となった。

 学校給食の適正な運営改善充実及び給食関係職員の資質向

上を図るため、各種の研修会等を開催した。また県教委指定

め学校給食改善研究枝2校を指定し、給食の改善、充実に努

めた。更に食中毒や労働災害等の事故防止を図るため、文書、

研修会、広報等によ1)衛生思想の啓蒙、安全管理の指導に努

めた。また地域の特性に根ざした学校給食を実現するため学

校、家庭、地域との連携に努めた。

4 県研究大会の開催

 第10回福島県学校体育、保健・安全、給食研究大会を会津

若松市文化福祉センターを主会場として2日間の日程で県内

関係者430名の参加を得て開催した。

 大会主題「健康さ活力に満ちた心豊かな幼児・児童・生徒

の育成をめざして」に基づき、幼児・児童・生徒の健康増進

の実践力の向上を図るため、学校体育、保健・安全及び学校給

食の諸問題について研究協議し、多くの成果を収めた。

5 社会体育の振興

 県民の多様化しつつあるスポーツ活動への欲求に対応する

ため、野外活動並びにスポーツ活動指導者を対象とした各種

講習会を開催し、指導者の養成と資質の向上に努めたほか、

スポーツ功労者等派遣指導事業(卓球教室)を実施し、中、

高校生のスポーツ活動の普及・推進に努めた。

 また、県総合体育大会、社会人(職場)スポーツ大会をは

じめ、各種競技会を開催し県民スポーツの振興を図るととも

に、国民体育大会及び東北総合体育大会に選手団を派遣し、

競技力の向上と志気の高揚に努めた。

 本年度は特に、徳仁親王殿下の御来臨を迎ぎ、天皇・皇后

賜杯全日本軟式庭球総合選手権大会を盛大に開催したのをは

じめ、天皇賜杯第41回全日本軟式野球大会、昭和61年度全日

本アーチェリー選手権大会などの全国大会を開催し、県民の

スポーツに対する意識の啓発に努めた。

 さらに、スポーツ少年団活動の活発化を図るため、県本部

規程を整備するとともに全県的な活動を促し、未結成村を解

消したほか、認定指導者の養成に努めた。

 また、日独スポーツ少年団同時交流事業に積極的に取り組

み、国際親善への役割を果たしたほか、各種国際競技大会に

12名の選手を派遣した。



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