教育年報1986年(S61)-154/213page
教育センター
第1節 概 要
教育センターは、本県学校教育の向上発展に寄与するため
教育関係職員の研修、教育に関する専門的・技術的事項の調
査研究、情報処理教育、教育相談、教育図書・資料に関する
事業を推進してきた。
それらの事業概要は、次のとおりである。
(1) 研修事業
教育センターは、教育関係職員の専門的職能と資質の向
上を図るために、第三次福島県長期総合教育計画に基づく
研修計画のうち、学校経営、教育研究法、教育工学、各教
科・道徳・特別活動・生徒指導・教育相談、情難処理教育
に関する専門的内容についての研修事業を実施した。
本年度実施した研修講座は、次のとおりである。
1) 講座数 63講座
2) 講座開設回数 106回
3) 講座研修者定数 1,711人
4) 講座研修者延べ人数 2,025人
5) 講座開設期間 61年6月2日〜62年2月7日
(2) 研究事業
教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命
を達成させるため、広く全国的視野にたって教育の動向を
見守り、本県が当面している教育上の課題や学校における
教育実践上め諸問題と関連する研究主題を設定し、理論と
実践の両面から専門的に研究を進めた。
研究課題によって、プロジェクトのチームによる共同研
究と各所員が担当する個人研究とに分けられ、これらの研
究成果は、各研修講座の内容と一体化して講座内容に反映
させるとともに、研究紀要、所報、研究資料として刊行し
た。
プロジェクトによる共同研究の研究主題は、次のとおり
である。
1) 学校の教育目標と教育課題に関する研究
2) 学習指導と評価に関する研究
3) 自己教育力を育成するための学校教育の改善に関する
実践的研究
4) 事例を通した教育相談の進め方に関する研究
(3) 教育相談事業
幼児・児童生徒の教育上の諸問題について、学校や保護
者からの教育相談に応じ、その解決のために、カウンセリ
ングや行動療法等により指導援助を進めた。
また、移動教育相談を、いわき、会津、県南、相双の4
地区で実施した。
年間の来所相談・移動相談の件数は1,506件で、電話相
談の件数は1,283件であった。
(4) 教育図書・資料事業
県内教職員の教育実践活動に役立つ教育図書・資料を提
供するため、教育の専門図書・教育資料の収集・整理を行
った。
収集した教育図書は所報で紹介し、教育資料は件名目録
を作成して県下各校に配付した。
(5) 情報処理教育
大型電子計算機及びNC工作機械を使用して、COBOL1
2、FORTRAN1 2 3、BASIC1 2の研修を実施した。
年間を通して、高等学校生徒にプログラミング、数値制
御工作機械、自動製図機の共同実習を行った。
教職員の個人研修には、延べ904人を受け入れ、高等学
校生徒の実習には、延べ3,673人が来所した。
第2節 教職員研修
教育センターは、教職員現職教育計画に基づく「専門研修」
を担当し、研修講座を次のとおり実施した。
(1) 研修講座内容の改善充実
1) 研修講座全体について、学習指導要領の目標や指導内
容を吟味して講座内容を構成するとともに、当面する教
育課題に応えるよう、研修内容を検討し、充実した魅力
ある研修講座になるよう努めた。
2) 研修形態については、講義中心になることを避け、研
究協議、実技、実習、観察、演習、調査等を考慮し、講
座内容の特性に応じて多様化を図った。
3) 小学校の教科に関する講座については、各教科指導に
おける相談的教師に関する研修内容を取り入れた。
4) 中学校の教科に関する講座については、各教科の専門
性がいっそう発揮できるように、講座内容の特性に応じ
て多様化を図った。
小学校と同様に、各教科指導における相談的教師に関す
る研修内容を取り入れた。
5) 高等学校の講座については、各教科の専門性をいっそ
う充実深化させるとともに、学習指導と生徒指導の一体
化を図って、生徒指導に関する内容を充実させ、教育相
談に関する共通研修も行った。
(2) 昭和61年度研修講座数・研修者定数
学校種別 講座数 講座
開設回数研修者
定数研修者
延べ人数小・中・高共通 8 18 266 567 小学校 15 30 584 604 中学校 16 26 438 464 高等学校 24 26 403 363 養護教育諸学校 20 27 合計 63 100 1,711 2,025