教育年報1986年(S61)-164/213page
2 形 態
(1) 来所相談・電話相談
電話、はがき等の申し込みにより、来所日時をあらかじ
め調整のうえ通知し、相談者の来所により行うものであり、
相談の内容によっては電話だけによる相談も行った。
(2) 要請相談
市町村教育委員会、学校等からの要請により、当該機関
の設定する場所に出向いて実施した。
(3) 巡回就学相談
1)事業内容
心身障害幼児・児童の発育状況や教育措置に対する正
しい認識を得させるため、各教育事務所管内の各方部ご
とに巡回就学相談を実施し、適正就学に関する啓発活動
の充実を図った。
2)実施地区と相談件数
県内7教育事務所 計10会場 相談件数87件
○県 北:保原町(9件)、二本松市(8件)
○県 中:石川町(13件)、鏡石町(2件)
○県 南:表郷村(5件)
○会 津:会津若松市(17件)
○南会津:田島町(4件)
○相 双:大熊町(4件)、相馬市(9件)
○いわき:内郷(16件)
(4) 地域相談室
本県の広大な地域を考慮し、下記の通り「地域相談室」
を設置し、相談事業を実施した。
設置場所 住所並びに電話番号 県北地域相談室
(県立聾学校福島分校内)〒960 福島市森合町6-34
TEL(0245) 31-5013会津地域相談室
(県立聾学校会津分校内)〒965 会津若松市一箕町鶴賀字下柳原88-1
TEL(0242) 22-1286浜通り地域相談室
(県立聾学校平分校内)〒970-01 いわき市平馬目字馬目 崎61
TEL(0246) 34-22023 現状と課題
現状については、前掲の表1、表2の通りであるが、心身
障害児の処遇に関しては、比較的早い時期からの援助が重要
であることを踏まえ、その認識の啓蒙・啓発か必要である。
また、三つの相談形態(来所相談・派回相談・地域相談)が
それぞれの相談活動を優先させなからも、相互に、補完的な
役割を果たせるようにするため、更に機能連携を促進して、
心身障害児教育相談のより一層の充実を図る必要がある。
第3節 教職員研修事業
1 研修講座内容の充実
養護教育センターで行う研修は、県教育委員会が行う基本・
専門・特別の3研修区分のうち「専門研修」に位置づけられ
ている。開講初年度にあたる本年度は、本県における養護教
育の質的向上を図るため、関係教職員に対して、基本的研修
の基盤のうえに、専門的内容についての研修を行い、指導力
の向上を図るとともに、併せて学校及び地域社会における養
護教育の推進と充実に資することを目的として、特に次の点
に努力した。
(1) 研修講座の内容については、学習指導要領の目標や指導
内容を吟味して、講座の内容を構成し、当面する学校の課
題を組み入れながら、研修内容の検討を行い、内容の充実
した魅力のあるものとなるように努めた。
(2) 研修の形態は、講義中心となることを避け、講演、研究
協議、実技、演習、参観などを、講座内容の特性に応じて
組み入れ、内容の多様化を図りながら研修効果を高めるよ
うに努めた。
(3) 講師は、国立特殊教育総合研究所の所員や心身障害児医
療施設の医師を中心に、学校の課題や要請にも直接役立つ
事例を豊富に持った実践者を、県内外から幅広く人選する
ことにより、講座内容を一層充実するように努めた。
2 教職員の研修講座
講座名 期 間 参加人数 主な研修内容 軽度心身障害教育研修講
座
(病弱・身体虚弱)6月10日
〜
6月12日小学校19名
中学校 2名講演「病弱・身体虚弱児の病理と保健」 国立療養所福島病院小児科医長 藤野純子 講義「病弱・身体虚弱児の理解と指導」 実技「教材・教具の製作」 養護・訓練研修講座
(情 緒 障 害)6月17日
〜
6月19日盲・聾学校1名 講演「情緒障害児の発達診断」 養護学校14名 国立特殊教育総合研究所室長 平井保 小学校3名 講義「情緒障害児の母親指導のあり方」 中学校1名 研究協議「養護・訓練の指導」 (1)心身の適応 (2)意思の伝達 リハビリ研修講座
(肢体不自由)
(前期)
(後期)6月24日
〜
6月26日養護学校11名 講演「肢体不自由児のリハビリテーション」 福島県郡山療育園長 鬼満雅 実技「肢体不自由児の運動機能訓練」 12月2日
〜
12月4日養護学校11名 講演「肢体不自由児の動作訓練」 国立特殊教育総合研究所室長 安好博光 講義「肢体不自由児の進路指導」