教育年報1986年(S61)-170/213page
図書館
第1節 概 要
1 運 営 方 針
地域に育つ「図書館の図書館」としての機能充実を図り、
県内公共図書館等が対応困難な事項等に積極的に援助を行う
とともに、県民の多様化しているニーズに応えるべく、より
多くの資料の収集整備に努め、情報化時代における図書館
として、県民の学習活動に対し、広く資料や情報の提供を行
い、調査研究のための援助に努めた。
(1) 図書館資料の収集・整備
各部門の基本図書、参考図書について、計画的に収集整
理を行い整備充実を図った。
特に、郷土関係資料については、積極的に収集を行い、
郷土資料を中心とした調査研究のため利用促進を図った。
(2) 調査相談機能の充実
1) 調査相談業務の強化
公開図書室により多くの資料を公開し、来館者の
調査研究を援助するとともに、県内外から数多く寄せ
られる各種調査相談に対し、迅速・的確に対応した。
2) 相互貸借
広く県民に資料利用の機会を拡大するため、県内・外
図書館との連携を図り、必要資料の積極的な提供に努
めた。
(3) 児童図書部門の機能強化
貸出対象者の多い児童室にコンピュータを導入し、図書
の貸出し、返却、予約ならびに検索等、各分野に亘って迅
速に処理し、業務の円滑化を図った。
(4) 相互協力の推進
1) 職員研修の充実
県内の図書館関係職員について、資質の向上を図る
ため、継続して実施した。
2) 読書活動指導者の養成
県内各地に広がりをみている読書活動の輪を育て、地
域におけ看読書活動指導者の養成に努めた。
3) 協力車事業の推進
県立と他の県内公共図書館とのサービス業務等の連絡
調整ならびにサービスの拡大を図り、図書館のネット
ワークの確立と機能強化を図った。
(5) 図書館未設置地域に対する奉仕
移動図書館車「あづま号」を定期的に運行し、読書普及
活動に努めたほか、団体貸出、親子読書文庫の巡回指導
を行い、全県的な読書運動の活性化を図った。
2 図書館協議会
協議会は次のとおり開催した。
第1回 昭和61年8月8日
・北日本図書館協議会連合会理事推薦について
・県立図書館の利用状況報告について
・児童室パソコン導入による稼働状況について
第2回 昭和62年3月17日
・昭和61年度県立図書館の利用状況について
・昭和61年度県立図書館の事業実施状況について
・昭和62年度県立図書館の当初予算概要について
・昭和62年度県立図書館の事業計画について
第2節 資料の収集・整理
昭和56年度から5か年にわたって進められてきた「資料
整備計画」も昭和60年度で一応の完了をみたので、本年度は
本館所蔵資料の質・量両面に対する総合的な点検と反省のた
めの第1年次と位置付けた。
その反省の結果、本年度は特に、資料収集のための組織・
体制の整備を行うため、部門別専任担当制を設けた。具体的
には、全職員を各部門の担当に当て、それぞれの部門で、出
版情報の収集から利用状況の把握までを含めた、一貫した責
任体制を敷くこととした。まだ緒についたばかりであるが、
現在までめところ各分野における重要資料の選択・収集に威
力を発揮しつつある。
また、資料の整理・組織化の面では、資料の重要度も勘案し
つつ、可能な限り迅速に利用に供することができるよう、整
理業務の効率化に配慮した。
1 図書館資料の収集
(1) 一般資料の収集
今日まで蓄積された蔵書の全般的な見直しを行い、そ
の結果を踏まえて、本年度は特に、基本的資料として重要
と思われる全集・叢書類の再点検を行った。
既に収集を行っているものについては、欠巻本の補充に
万全を期したほか、選定漏れはないか、あるいは未整備部
門において新たに選定しなければならないものがあるか
どうか等々、刊行予定の出版情報までも含めた全般的・組
織的な蔵書診断を行い、その適正な収集に努めた。
また、参考・情報資料として重要な年鑑・白書・統計書
・便覧・名鑑・報告書・年報等々の、いわゆる「年刊類」
についても総合的な点検を行い、特に地域社会の実務者に
役立つ資料を体系的に収集することに留意した。
次に具体的な収集努力としては、全国の都道府県史(誌)
の網羅的収集と、本県に特に縁ある市町村史(誌)の収集を
挙げることができる。もう一つは、各賞受賞図書のうち、
権威と定評のある受賞図書についての厳選収集を決定した
ことである。
先にも述べたが、本年度は「整備5か年計画」完了を受
けて、本館蔵書の総合的な点検に重点を置いた年度といえ