教育年報1987年(S62)-178/225page
1) 事業内容
心身障害幼児・児童の発育状況や教育措置に対する正
しい認識を得させるため、6教育事務所管内において巡
回就学相談を実施し、適正就学に関する啓発活動の充実
を図った。
2) 実施地区と相談件数
県内6教育事務所 計6会場相談件数69件
○県 北 : 福島市(14件)
○県 南 : 表郷村(2件)
○会 準 : 会津若松市(12件)
○南会津 : 田島町(2件)
○相 双 : 原町市(27件)
○いわき : 内郷(12件)
(4) 地域相談
本県の広大な地域を考慮し、下記の通り「地域相談室」
を設置し、相談事業を実施した。
設置場所 住所並びに電話番号 県北地域相談室
(県立聾学校福島分校内)〒960 福島市森合町6-34
TEL(0245)31-5013会津地域相談室
(県立聾学校会津分校内)〒965 会津若松市一箕町鶴賀字下柳原88-1
TEL(0242)22-1286浜通り地域相談室
(県立聾学校平分校内)〒970-01 いわき市平馬目字馬目崎61
TEL(0246)34-2202
3 現状と課題
現状については、前掲の表1のとおりである。心身障害児
の教育相談は、心身障害児総合療育センター等の医療機関と
の密接な連携のもとに進めた。なお、心身障害児の処遇に関
しては、比較的早い時期からの援助が重要であることを踏ま
え、その認識の啓蒙・啓発が必要である。また、三つの相談
形態(来所相談・巡回相談・地域相談)が、それそれの相談、
活動を充実させることに努めるとともに、相互に、補完的な
役割が果たせるようにするため、更に機能の連携を促進して
心身障害児教育相談のより一層の充実を図る必要がある。
第3節 教職員研修事業
1 研修講座内容の充実
養護教育センターで行う研修は、県教育委員会が行う基本
・専門・特別の3研修区分のうち、「専門研修」に位置づけ
られている。本年度は、本県における養護教育の質的向上を
図るため、関係教職員に対して、基本的研修の基盤のうえに
専門的内容についての研修を行い、指導力の向上を図るとと
もに、併せて学校及び地域社会における養護教育の推進と充
実に資することを目的として、特に次の点に努力した。
(1) 研修講座の内容については、学習指導要領の目標や指導
内容を吟味するとともに、児童生徒の障害の多様化に応じ
た教育的対応のあり方、当面する各学校・学級における教
育的課題等を考慮して、その内容を構成し、充実した研修
ができるように努めた。
(2) 研修の形態は、講演、講義、研究協議、演習、実技、参
観なとを、各講座内容の特質に応じて組み入れ、研修効果
を高めるように努めた。
(3) 講師は、大学教官、国立特殊教育総合研究所員、心身障
害児医療施設医師、養護学校長等を充て、研修内容の充実
に努めた。
2 教職員の研修講座
講 座 名 期 間 参加人数 主 な 研 修 内 容 養護・訓練研修講座
(聴覚障害)6月9日 盲・聾学校 5名 講義「聴覚生理」 「聴能訓練一補聴器の適合と聴能の評価一」 〜 小学校 4名 国立特殊教育総合研究所室長 大沼直紀 6月11日 講義「聴覚障害児の発音指導」 実技・演習「聴力検査と補聴器適合の実際 軽度心身障害教育研修講座
(病弱・身体虚弱)6月16日 小学校 6名 講演「病弱・身体虚弱児の病態と保健」 〜 国立療養所橿鳥病院小児科医 藤野純子 6月18日 講義「病弱・身体虚弱児の理解と指導」 実技「教材・教具の製作」 軽度心身障害教育研修講座
(情緒障害)6月23日 小学校 9名 講演「自閉児のコミュニケーション指導」 〜 中学校 1名 国立特殊教育総合研究所研究員 小山創 6月25日 養護学校 1名 講義「自閉児の医学」 針生ケ丘病院診療部長 菅野圭樹 養護・訓練研修講座
(視覚障害)7月7日 盲・聾学校 5名 講演「視覚障害児の発達と課題」 〜 養護学校 1名 宮城教育大学助教授 山県浩 7月9日 小学校 1名 講義「視覚障害児の眼科的配慮」 福島県立医科大学講師 八子恵子