教育年報1987年（S62）-212/225page

会津少年自然の家

第1節　概　　　　　要

　会津少年自然の家は、恵まれた自然環境の中で、生き生き

とした野外活動と集団宿泊生活を体験することにより、心豊

かで心身ともに健全な少年を育成するために、昭和56年4月

に開所された社会教育施設である。

　少年自然の家は、家庭教育・学校教育・社会教育がもつそ

れぞれの教育機能を統合し、効果的に補完するための教育施

設で、次のような教育目標を掲げ、その達成に努めてきた。

「心豊かで、自ら生活を創造し、実践するたくましい福島っ

子を育てる。」

　(1) 自然に親しむ活動を通じて、自然の恩恵にふれ、自然

　　を愛する心や敬けんの念を育てる。

　(2) 集団宿泊生活を通じて、友愛心を深め、自律心・協調

　　心を養い、規律を守り、責任を重んじ、進んで奉仕する

　　態度を育てる。

　(3) 野外活動を通じて、たくましい体力と根性を育てる。

1　運営委員会

　所長の諮問機関である運営委員会の委員は、次のとおりで

ある。

氏　　名	役　　職　　　名
岩田弘	喜多方市子ども会育成会連絡協議会長
川島郁郎	福島県中学校長会副会長
佐々木 昭吾	福島県公民館連絡協議会副会長
寺川智	福島県小学校長会北会津支部総務部長
照井蔵人	北会津地区社会教育委員連絡協議会長
長谷川四朗	福島県子ども会育成会連合会顧問
○星輝雄	福島県市町村教育委員会連絡協議会常任委員
◎山口林助	会津坂下町長
若林大	福島県PTA連合会副会長
和田洋子	福島県議会議員

◎印　議長　　　○印　副議長

　2　昭和62年度重点目標と成果

(1) 集団宿泊生活の充実

　1）　利用団体の研修活動の充実を図り、連携を強化して、

　　指導援助と利用の促進に努めた。

　2）　利用団体の自主的・自発的な態度の助長に努め、役割

　　分担を明確におさえ、活動の充実を図った。

　3）　利用団体の効果的な研修活動に必要な活動プログラム

　　の工夫に取り組み、「樹木観察」等の新しい活動種目の

　　開発、指導資料の整備に努めた。

　4）　各学校、団体の実態や利用のねらいに即して、各種活

　　動のボランティアの活用に努めた。特に、スキー研修の

　　充実に資することができた。

(2) 施設・設備の充実

　1）　フィールドアスレチックの改修工事の年次計画の1年

　　目として、5つのポイントを全面改修した。

　2）　第3キャンプ場の整備を進め、テント20張、120名

　　の利用が可能となった。年々、キャンプ生活への関心が

　　高まってきている。

　3）　環境整備の一環として、本館内に展示コーナーを設け

　　美術品、民芸品、山野草の花、樹木や果実の標本等を陳

　　列した。

　4）　ボイラー排ガス監視装置工事・道路案内標識移設工事

　　を実施した。

　5）　アルペン用スキー台数の確保にも努め、利用者の希望

　　に応えられるようになった。

(3) 広報活動の強化

　1）　感動体験についての統計や利用者の声を多く掲載した

　　所報の発行や各種の広報活動を通じて、施設の特色、活

　　動状況の紹介等、施設利用の促進に努めた。

　2）　各報道機関、各市町村教育委員会、社会教育関係機関、

　　小・中・養護学校及び少年団体等との連携を強化して施

　　設利用の啓蒙に努めた。

(4) 主催事業の効果的運営

　1）　当施設を利用する学校団体・社会教育関係団体(少年

　　団体等)の指導者を対象に、効果的な利用ができるよう

　　集団宿泊指導者研修会を開催し、指導者としての資質と

　　指導力の向上に努めた。

　2）　豊かな自然体験を通して情操の陶治を図る「自然にい

　　どむ少年のつどい」を開催し、少年期にふさわしい冒険

　　心と夢を育てるなど効果的に実施した。

　　　また、「少年スキー教室」では、スキー実技の向上と

　　豊かな人間性の育成に向けて効果的に実施することがで

　　きた。

　3）　親と子のふれあいを深め、他家族との親睦を目的とし

　　て開催した「親子キャンプ」「親子白銀のつどい」は、

　　参加者の共感を深くし、効果的に終了できた。

　4）　唯一の補助事業である「レクリエーション実技指導者

　　研修」は、青少年団体活動の指導者育成という面から、

　　今後とも重視し、参加者の確保と内容充実に努めなけれ

　　はならない。

(5) 施設・設備の保全と事故防止の徹底

　1）　防災組織を確立し、責任体制を明確にして、日常およ

　　び月例点検を強化し、施設・設備の保全に努めた。

　2）　利用団体の事故防止のため、特に事前研修会・事前打

　　合せ会時に、引率指導者に対する指導に努め、さらに、

　　具体的な活動の各場面で、指導め徹底を図った。

　3）　防災訓練に当たっては、防災器具・機械の操作法の訓