教育年報1988年(S63)-188/237page

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(4) 地域相談

 本県の広い地理的条件を考慮し、下記のとおり「地域相

談室」を設置し、相談事業を実施した。

設置場所 住所並びに電話番号
県北地域相談室
(県立聾学校福島分校内)
〒960福島市森合町6-34
TEL 0245(31)5013
会津地域相談室
(県立聾学校会津分校内)
〒965会津若松市一箕町鶴賀字下柳原88-1
TEL 0242(22)1286
浜通り地域相談室
(県立聾学校平分校内)
〒970-01いわき市平馬目字馬目崎61
TEL 0246(34)2202

 3 現状と課題

 現状については、前掲の表1のとおりである。心身障害児

の教育相談は、心身障害児総合療育センター等の医療機関と

の密接な連携のもとに進めた。なお、心身障害児の処遇に関

しては、比較的早い時期からの援助、さらに障害そのものば

かりでなく、二次的な問題である心理・社会的不適応に関す

る援助が重要であり、その認識の啓蒙・啓発が必要である。

 また、三つの相談形態(来所相談・巡回相談・地域相談)

が、それぞれの相談活動を充実させることに努めるとともに

相互に、補完的な役割を果たせるようにするため、更に機能

の連携を促進して心身障害児教育相談のより一層の充実を図

る必要かある。

 第3節 教職員研修事業

 1  研修講座内容の充実

 養護教育センターで行う研修は、県教育委員会が行う基本

・専門・特別の3研修区分のうち、「専門研修」に位置づけ

られている。本年度は、本県における養護教育の質的向上を

図るため、関係教職員に対して、基本的研修の基盤のうえに

専門的内容についての研修を行い、指導力の向上を図るとと

もに、併せて学校及び地域社会における養護教育の推進と充

実に資することを目的として、特に次の点に努力した。

 (1) 心身に障害のある児童生徒の就学指導の重要性にかんが

み、「心身障害児就学相談研修講座」を新設し、就学指導

・相談の進め方に関する実践力の養成を図るための内容の

吟味に努めた。

 (2) 小・中学校の病弱・身体虚弱特殊学級の減少に伴い、そ

の担当教員及び病弱養護学校教員を対象とした「軽度心身

障害教育研修講座一病弱・身体虚弱一」及び「病弱教育研

修講座」を統合し、「養護・訓練研修講座一病弱・身体虚

弱一」とし、研修内容の焦点化を図った。

 3) 各講座とも、児童生徒の障害の多様化に応じた教育的対

処のあり方、当面する各学校・学級における教育的課題等

を考慮して、講座の内容を構成し、指導実践に役立つ充実

した研修ができるように努めた。

2 教職員の研修講座

講座名 期間 参加人数 主な研修内容
軽度心身障害教育研修講座
(情緒障害)
6月14日 小学校 9名 講演「自閉症のコミュニケーション指導」
中学校 1名 国立特殊教育総合研究所研究員  小山創
6月16日 養護学校 1名 講義「自閉児の医学」
菅野クリニック所長  菅野圭樹
養護・訓練研修講座
(聴覚障害)
6月22日 聾学校 5名 講義「聴覚生理」「聴能訓練」
養護学校 1名 筑波技術短期大学教授  大沼直紀
6月24日 小学校 2名 講義「聴覚障害児の発音指導」
実技「聴力検査と補聴器適合の実際」
リハビリ教育研修講座
(肢体不自由)
(前期)
6月28日 養護学校 11名 講演「肢体不自由児のリハビリテーション概論」
心身障害児総合療育センター所長  鬼満雅
6月30日 講義「肢体不自由児における養護・訓練」
  実技「脳性まひ児の連動機能訓練」
心理検査実技研修講座
(1)
7月5日 盲・聾学校 2名 講義「心身障害児の心理検査法」
養護学校 8名 講義「ビネ一式知能検査の特徴とその利用法」
7月7日 小学校 3名 講義「遠城寺式乳幼児分析的発達検査の特徴とその利用法」
  中学校 4名 実技「田研・田中ビネー知能検査の実施法、採点法、診断法」
障害幼児教育研修講座 7月26日 聾学校 2名 講演「心身障害児の早期発見と早期教育」
養護学校 4名 国立特殊教育総合研究所分室研究員   大柴文枝
7月28日 小学校 1名 講義「心身障害児の保育の実際」
  幼稚園 12名 グループ討議「交流保育のあり方・進め方について」
  保育所 18名  
寄宿舎職員研修講座 8月2日 盲・聾学校 3名 研究協議「舎室経営上の諸問題」
養護学校 7名 講義「寄宿舎における健康管理と保健指導」
8月4日   心身障害児総合療育センター診療相談部長  今野金裕
    実技「レクリエーション指導の実際」
    郡山女子大学短期大学部助教授  国馬善郎

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