(4) 地域相談
本県の広い地理的条件を考慮し、下記のとおり「地域相
談室」を設置し、相談事業を実施した。
設置場所 住所並びに電話番号 県北地域相談室
(県立聾学校福島分校内)〒960福島市森合町6-34
TEL 0245(31)5013会津地域相談室
(県立聾学校会津分校内)〒965会津若松市一箕町鶴賀字下柳原88-1
TEL 0242(22)1286浜通り地域相談室
(県立聾学校平分校内)〒970-01いわき市平馬目字馬目崎61
TEL 0246(34)2202
3 現状と課題
現状については、前掲の表1のとおりである。心身障害児
の教育相談は、心身障害児総合療育センター等の医療機関と
の密接な連携のもとに進めた。なお、心身障害児の処遇に関
しては、比較的早い時期からの援助、さらに障害そのものば
かりでなく、二次的な問題である心理・社会的不適応に関す
る援助が重要であり、その認識の啓蒙・啓発が必要である。
また、三つの相談形態(来所相談・巡回相談・地域相談)
が、それぞれの相談活動を充実させることに努めるとともに
相互に、補完的な役割を果たせるようにするため、更に機能
の連携を促進して心身障害児教育相談のより一層の充実を図
る必要かある。
第3節 教職員研修事業
1 研修講座内容の充実
養護教育センターで行う研修は、県教育委員会が行う基本
・専門・特別の3研修区分のうち、「専門研修」に位置づけ
られている。本年度は、本県における養護教育の質的向上を
図るため、関係教職員に対して、基本的研修の基盤のうえに
専門的内容についての研修を行い、指導力の向上を図るとと
もに、併せて学校及び地域社会における養護教育の推進と充
実に資することを目的として、特に次の点に努力した。
(1) 心身に障害のある児童生徒の就学指導の重要性にかんが
み、「心身障害児就学相談研修講座」を新設し、就学指導
・相談の進め方に関する実践力の養成を図るための内容の
吟味に努めた。
(2) 小・中学校の病弱・身体虚弱特殊学級の減少に伴い、そ
の担当教員及び病弱養護学校教員を対象とした「軽度心身
障害教育研修講座一病弱・身体虚弱一」及び「病弱教育研
修講座」を統合し、「養護・訓練研修講座一病弱・身体虚
弱一」とし、研修内容の焦点化を図った。
3) 各講座とも、児童生徒の障害の多様化に応じた教育的対
処のあり方、当面する各学校・学級における教育的課題等
を考慮して、講座の内容を構成し、指導実践に役立つ充実
した研修ができるように努めた。
2 教職員の研修講座
講座名 期間 参加人数 主な研修内容 軽度心身障害教育研修講座
(情緒障害)6月14日 小学校 9名 講演「自閉症のコミュニケーション指導」 〜 中学校 1名 国立特殊教育総合研究所研究員 小山創 6月16日 養護学校 1名 講義「自閉児の医学」 菅野クリニック所長 菅野圭樹 養護・訓練研修講座
(聴覚障害)6月22日 聾学校 5名 講義「聴覚生理」「聴能訓練」 〜 養護学校 1名 筑波技術短期大学教授 大沼直紀 6月24日 小学校 2名 講義「聴覚障害児の発音指導」 実技「聴力検査と補聴器適合の実際」 リハビリ教育研修講座
(肢体不自由)
(前期)6月28日 養護学校 11名 講演「肢体不自由児のリハビリテーション概論」 〜 心身障害児総合療育センター所長 鬼満雅 6月30日 講義「肢体不自由児における養護・訓練」 実技「脳性まひ児の連動機能訓練」 心理検査実技研修講座
(1)7月5日 盲・聾学校 2名 講義「心身障害児の心理検査法」 〜 養護学校 8名 講義「ビネ一式知能検査の特徴とその利用法」 7月7日 小学校 3名 講義「遠城寺式乳幼児分析的発達検査の特徴とその利用法」 中学校 4名 実技「田研・田中ビネー知能検査の実施法、採点法、診断法」 障害幼児教育研修講座 7月26日 聾学校 2名 講演「心身障害児の早期発見と早期教育」 〜 養護学校 4名 国立特殊教育総合研究所分室研究員 大柴文枝 7月28日 小学校 1名 講義「心身障害児の保育の実際」 幼稚園 12名 グループ討議「交流保育のあり方・進め方について」 保育所 18名 寄宿舎職員研修講座 8月2日 盲・聾学校 3名 研究協議「舎室経営上の諸問題」 〜 養護学校 7名 講義「寄宿舎における健康管理と保健指導」 8月4日 心身障害児総合療育センター診療相談部長 今野金裕 実技「レクリエーション指導の実際」 郡山女子大学短期大学部助教授 国馬善郎