(南郷村)、窪田遺跡(只見町)、中野廃寺・北原遺跡
・段ノ原遺跡・初野町遺跡(以上相馬市)、砂子田遺跡
・屋地小屋原遺跡(以上新地町)、永渡横穴(鹿島町)、
脇遺跡・堤下A・B遺跡(以上原町市)、羽倉の荻原遺跡
(小高町)、植畑遺跡(浪江町)、塚ノ腰遺跡・陳場沢窯跡
(以上双葉町)、新夜ノ森古戦場跡(富岡町)、
松ノロ横穴(楢葉町)、東町古墳(広野町)、泉城跡・
大畑A・F・滝ノ作遺跡・荒田目条里跡・砂畑遺跡・
須賀蛭A・C遺跡・井上遺跡・大久保遺跡・小茶円遺跡・
根岸遺跡 (以上いわき市)。
(3) 史跡指定調査
1) 目 的
歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるために
発掘調査を行い、基本資料を整備する。
2) 調査対象
関和久上町遺跡 (西白河郡泉崎村大字関和久所在)
3) 調査指導委員
梅宮茂 (福島県文化財保護審議会委員)
岡田茂弘 (国立歴史民俗博物館教授)
鈴木啓 (福島県立二本松工業高等学校長)
進藤秋輝 (宮城県多賀城跡調査研究所主任研究員)
4) 第二次5か年計画の4年次目(通算第9次)の調査と
して、高福寺跡東地点A区、上町南地点の2地点3か所
で発掘調査を実施した。その結果、外郭の溝は南辺だけ
の区画施設と考えられていたが、今回の調査で上町南地
点A区で南北へ伸びる溝の一部を検出し、西側へ巡る可
能性がでてきた。更に、昨年度外郭の溝が検出できなか
った北東部付近の広い範囲での調査により、内郭の北東
コーナー寄りから奈良時代の竪穴住居群と重複して平安
時代の官衙的建物群が発見された。このことから区画の
内であることが考えられ、今回発見された遺構の東側に
外郭の区画施設の所在が想定できるようになり、平安時
代初頭の官衙ブロックを二重にとり囲む構造の可能性が
更に深まった。
(4) 埋蔵文化財保護体制充実のための研修
1) 第18回福島県埋蔵文化財発掘技術者講習会
○ 期間 平成2年8月3日〜8月5日
○ 会場 天栄村山村開発センター
天栄村大里 山崎遺跡
○ 人員 30名
○ 内容 ・開発と埋蔵文化財の保護
・ 遺跡発見から発掘調査まで 1)、2)
・ ものから見る時代の流れ 1・2
・ 試掘調査実習 山崎遺跡
・ 講演 「縄文時代人の食性復原」
埼玉大学教養部助教授 小池裕子
2) 奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター主催
埋蔵文化財発掘技術者等研修
ア 一般研修
○ 一般課程 平成2年7月24〜8月29日
長南敏広 福島市教育委員会
イ 専門研修
○ 中近世窯器調査課程 平成2年6月15日〜6月26日
鈴木功 (財)福島市振興公社
○ 環境考古課程 平成2年10月11日〜10月31日
(1) 矢島敬之 (財)いわき市教育文化事業団業団
(2) 佐藤耕三 (財)福島市振興公社
○ 水田遺跡調査課程 平成2年11月20日〜11月30日
西村博幸 (財)福島市振興公社
○ 石器調査課程 平成2年12月6日〜12月18日
堀金靖 会津若松市教育委員会
ウ 特別研修
○ 埋蔵文化財基礎課程 平成2年11月6日〜11月14日
大森義秀 磐梯町教育委員会
(5) 埋蔵文化財保護の普及活動
◎埋蔵文化財調査報告書の刊行
1) 母畑地区遺跡分布調査報告 15
2) 矢吹地区遺跡分布調査報告 11
3) 相双地区遺跡分布調査報告 2
4) 東北横断自動車道遺跡分布調査報告 2
5) 三春ダム関連遺跡分布調査報告 1
6) 福島空港用地内埋蔵文化財分布調査報告 3・4
7) 母畑地区遺跡発掘調査報告 30・31
8) 矢吹地区遺跡発掘調査報告 7・8
9) 国営会津農業水利事業関連遺跡調査報告 10
10) 県営請戸川農業水利事業遺跡調査報告 1
11) 東北横断自動車道遺跡調査報告 8〜11
12) 三春ダム関連遺跡調査報告 4
13) 関和久上町遺跡 9
14) 県内主要遺跡調査報告
15) 福島県の貝塚
(6) 重要遺跡基本資料整備事業
昭和60年度からの6か年事業であり、遺跡周知事業で確
認された遺跡の中から重要遺跡をとりあげ、保護のための
基本的な資料を整備している。
本年度は、事業最終年度で、補足調査として5遺跡を対
象に遺跡の立地、範囲、性格、発掘調査等の成果を示す航
空写真や記録類を収集すると共に、過去5か年の成果を集
大成した報告書を刊行。
(7) 県内の発掘調査状況
発掘調査(試掘調査を含む)の原因別・方部別件数は、
下表のとおりである。原因別では、農地開発・道路建設を
含む土地開発等土木工事が上位を占める。