3 現状と課題
現状については、前掲の表1のとおりである。心身障害児
の教育相談は、心身障害児総合療育センター等の医療機関と
の密接な連携のもとに進めた。なお、心身障害児の処遇に関
しては、比較的早い時期からの援助、さらに障害そのものば
かりでなく、二次的な問題である心理・社会的不適応に関す
る援助が重要である、その認識の啓蒙・啓発が必要である。
また、三つの相談形態(来所相談・巡回相談・地域相談)
による相談活動を充実させることに努めるとともに、相互に
補完的な役割を果たせるようにするため、更に機能の連携を
促進して心身障害児教育相談のより一層の充実を図る必要が
ある。
第3節 教職員研修事業
1 研修講座内容の充実
本年度は、県教育委員会が行う研修体系が、基本・職能・
専門・特別の4研修区分に変更されて、2年目の年である。
養護教育センターで行う研修は、「専門研修」に位置づけ
られている。関係教職員に対して、専門的内容についての研
修を行い、指導力の質的向上を図るとともに、学校及び地域
社会における養護教育の推進と充実に資することを目的とし
て、特に次の点に努力した。
(1) 基本研修として、悉皆研修として位置づけた教職経験5
年を持つ教員に対して「経験者研修 1(養護教育中級講
座)」を、教職経験10年を持つ教員に対して
「経験者研修 2(養護教育上級講座)」を新設した。希望・推薦研修と
して位置づけた教職経験20年を持つ教員に対して「経験者
研修 3(2の講座で代替)」を新設した。
(2) 心身に障害のある児童生徒の就学指導の重要性にかんが
み、「心身障害児就学相談研修講座」を二つに分けて実施
した。就学指導・相談の進め方に関する実践力の養成を図
るため内容の吟味に努めた。
(3) 各講座とも、児童生徒の障害の重度化、重複化、多様化
に応じた教育的対処のあり方、当面する各学校・学級にお
ける教育的課題等を考慮して、講座の内容を構成し、指導
実践に役立つ充実した研修ができるように努めた。
2 教職員の研修講座
講座名 期間 参加人数 主な研修内容 養護教育中級講座 10/30〜11/1 聾学校 1名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指 ―聴覚障害― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「聴覚障害児の実態に応じ た指導法の工夫と改善」「養護・訓練の考え方と進め方」「学級経 営の在り方と進め方」 養護教育中級講座 10/16〜10/18 養護学校 3名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指 ―精神薄弱― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「精神薄弱児の実態把握と 対応の在り方」「問題行動の理解と対応の仕方」「学級経営の在り 方と進め方」 養護教育中級講座 10/30〜11/1 養護学校 1名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指 ―肢体不自由― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「養護・訓練指導上の諸問 題」「学級経営の在り方と進め方」 養護教育中級講座 10/16〜10/18 盲学校 1名
養護学校 10名「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指 ―重複(情緒)障害― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「情緒障害児の実態把握と 対応の在り方」「学級経営の在り方と進め方」「重複障害児の学習 指導の留意点」 養護教育上級講座 8/22〜8/24 盲学校 7名 「教師論」「心身障害児の発達と課題」「学習指導案作成の要点」 ―視覚障害― 「学習指導案の作成」「視覚障害児の実態に応じた指導法の工夫と 改善」「養護・訓練の考え方と進め方」「養護・訓練指導上の諸問 題」 養護教育上級講座 7/25〜7/27 養護学校 21名 「教師論―現代の教師に期待されるもの」「精神薄弱児の医学」 ―精神薄弱― 「学習指導案作成の要点」「学習指導案の作成」「精神薄弱児の指 導の在り方」「養護・訓練の考え方と進め方」 養護教育上級講座 7/3〜7/5 養護学校 11名 「教師論」「肢体不自由児理解と対応の実際」「学習指導案作成の ―肢体不自由― 要点」「学習指導案の作成」「脳性まひ児の言語訓練」「肢体不自 由児の養護・訓練指導上の諸問題」「学級経営の諸問題」