教育年報1990年(H2)-178/226page

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  3 現状と課題

 現状については、前掲の表1のとおりである。心身障害児

の教育相談は、心身障害児総合療育センター等の医療機関と

の密接な連携のもとに進めた。なお、心身障害児の処遇に関

しては、比較的早い時期からの援助、さらに障害そのものば

かりでなく、二次的な問題である心理・社会的不適応に関す

る援助が重要である、その認識の啓蒙・啓発が必要である。

 また、三つの相談形態(来所相談・巡回相談・地域相談)

による相談活動を充実させることに努めるとともに、相互に

補完的な役割を果たせるようにするため、更に機能の連携を

促進して心身障害児教育相談のより一層の充実を図る必要が

ある。

第3節 教職員研修事業

  1 研修講座内容の充実

 本年度は、県教育委員会が行う研修体系が、基本・職能・

専門・特別の4研修区分に変更されて、2年目の年である。

 養護教育センターで行う研修は、「専門研修」に位置づけ

られている。関係教職員に対して、専門的内容についての研

修を行い、指導力の質的向上を図るとともに、学校及び地域

社会における養護教育の推進と充実に資することを目的とし

て、特に次の点に努力した。

(1) 基本研修として、悉皆研修として位置づけた教職経験5

 年を持つ教員に対して「経験者研修 1(養護教育中級講

 座)」を、教職経験10年を持つ教員に対して

「経験者研修 2(養護教育上級講座)」を新設した。希望・推薦研修と

 して位置づけた教職経験20年を持つ教員に対して「経験者

 研修 3(2の講座で代替)」を新設した。

(2) 心身に障害のある児童生徒の就学指導の重要性にかんが

 み、「心身障害児就学相談研修講座」を二つに分けて実施

 した。就学指導・相談の進め方に関する実践力の養成を図

 るため内容の吟味に努めた。

(3) 各講座とも、児童生徒の障害の重度化、重複化、多様化

 に応じた教育的対処のあり方、当面する各学校・学級にお

 ける教育的課題等を考慮して、講座の内容を構成し、指導

 実践に役立つ充実した研修ができるように努めた。

2 教職員の研修講座

講座名 期間 参加人数 主な研修内容
養護教育中級講座 10/30〜11/1 聾学校 1名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指
―聴覚障害― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「聴覚障害児の実態に応じ
  た指導法の工夫と改善」「養護・訓練の考え方と進め方」「学級経
  営の在り方と進め方」
養護教育中級講座 10/16〜10/18 養護学校 3名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指
―精神薄弱― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「精神薄弱児の実態把握と
  対応の在り方」「問題行動の理解と対応の仕方」「学級経営の在り
  方と進め方」
養護教育中級講座 10/30〜11/1 養護学校 1名 「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指
―肢体不自由― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「養護・訓練指導上の諸問
  題」「学級経営の在り方と進め方」
養護教育中級講座 10/16〜10/18 盲学校 1名
養護学校 10名
「教職と研修について」「心身障害児理解の視点と方法」「学習指
―重複(情緒)障害― 導案作成の要点」「学習指導案の作成」「情緒障害児の実態把握と
  対応の在り方」「学級経営の在り方と進め方」「重複障害児の学習
  指導の留意点」
養護教育上級講座 8/22〜8/24 盲学校 7名 「教師論」「心身障害児の発達と課題」「学習指導案作成の要点」
―視覚障害― 「学習指導案の作成」「視覚障害児の実態に応じた指導法の工夫と
  改善」「養護・訓練の考え方と進め方」「養護・訓練指導上の諸問
  題」
養護教育上級講座 7/25〜7/27 養護学校 21名 「教師論―現代の教師に期待されるもの」「精神薄弱児の医学」
―精神薄弱― 「学習指導案作成の要点」「学習指導案の作成」「精神薄弱児の指
  導の在り方」「養護・訓練の考え方と進め方」
養護教育上級講座 7/3〜7/5 養護学校 11名 「教師論」「肢体不自由児理解と対応の実際」「学習指導案作成の
―肢体不自由― 要点」「学習指導案の作成」「脳性まひ児の言語訓練」「肢体不自
  由児の養護・訓練指導上の諸問題」「学級経営の諸問題」

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