タ活用の実態調査を行い、養護教育におけるコンピュータ
活用の現状と課題を明らかにすると同時に、情報収集や文
献研究を行う。次いで、これを基に、各種障害児教育の中
でコンピュータを今後どのように活用、充実させていった
らよいのかの方策を探ろうとするものである。
(3) 研究の概要(第1年次)
1) 研究計画
本研究は平成3年度から3カ年計画で行うものとし、
第1年次の内容・方法を次のようにおさえた。
○ コンピュータ活用に関する文献研究及び情報収集
○ 県内の養護教育におけるコンピュータ活用の実態調
査
○ 所員のコンピュータ実技研修
○ 第1年次研究のまとめと次年度研究課題の検討
2) ま と め
アンケート調査結果から、本県においては養護教育独
自のコンピュータ活用については、盲・聾学校を代表と
する一部の学校で行われているだけであり、全体的には、
まだ不十分であることも併せて明確になった。
しかし、学校へのコンピュータ導入が、かなりの速度
で進み、校内でのコンピュータに関する研修が多くの学
校で始められている。また、コンピュータを「使ったこ
とがある」教員が全体の約1/4を占め、「使ったこと
がない」教員の80%も「機会があれば使ってみたい」と
答えている。これらは、コンピュータ活用に対して、養
護教育担当教員がなんらかの必要性や期待を持っている
のではないかと推察される。
このような現状と意識のギャップを早急に埋めていく
には、次の3点が大切となる。
○ 教育機器としての学習指導上の有効性や限界及び活
用の視点の明確化
○ コンピュータを有効に活用するための研修体制、指
導体制の確立
○ 養護教育に必要な周辺機器やソフトウェアの開発・
工夫と流通
2 個 人 研 究
(1) 長期研究員による研究
○ 「脳損傷児 H のコミュニケーション活動の拡大を図る
ための事例研究」―ひらがな文字の形成・促進を通して―
福島県養護教育センター長期研究員 円谷美智子
○ 「登校拒否児童生徒への指導援助の在り方」― Q 男と
のかかわりを通して―
福島県養護教育センター長期研究員 高橋正美
○ 「コンピュータ操作経過と入力装置の段階的工夫」
福島県養護教育センター長期研究員 渡邊世子
(2) 奨例研究
○ 「進行性筋ジストロフィー症児の身体活動水準に関す
る事例考察」
福島県立郡山養護学校教諭 佐瀬一夫
○ 「作業意欲を高める切り絵学習」―切り絵の学習を通
して目立性、向上心を身につける指導法―
郡山市立郡山第二中学校教諭 鈴木久仁子
第5節 教育図書・資料の収集・
提供事業
1 教育図書・資料の収集・整理
(1) 教育図書の収集・整理
教育図書については、養護教育に関する専門図書の充実
に努め、本年度65冊の新規購入及び寄贈の結果、蔵書数は、
5,159冊となった。その種類は、心身障害児の教育関係図
書が2,941冊となり、医学関係図書が343冊、心理関係図
書が166冊、その他の図書が1,709冊となった。これらの
図書は、「日本十進分類法」の分類基準に従い分類・配架
しているので、いつでも利用できるようになっている。
また、50音検索カード及び分類記号検索カードを整え、
コンピュータによる検索もできるようにして、問い合わせ
等に応じられるようにした。
(2) 教育関係定期刊行物の収集・整理
教育関係定期刊行物については、県費により今年度33種
類を購入した。なお、これまでの購入や寄贈などにより、
1,989冊に達している。
(3) 教育資料の収集・整理
教育資料は、全国の関係機関や県内の教育機関の協力に
より、研究紀要・研究報告書等の収集に努めており、集ま
った209冊余りについて「教育資料分類基準」に従って分
類した。県内の資料については、更に、学校別に分類・配
架した。
2 教育図書・資料の利用
本年度の図書・資料は、養護教育センターの研修参加者を
含め、県内の養護教育に携わる教職員によって利用されてき
た。また、普通教育に携わる教職員や、障害児の保護者の利
用もみられた。利用者は、591名で、図書・資料の貸出冊数
は823冊であった。
第6節 広報・啓発事業
1 所報養護教育
(1) 編集方針
年間4回(第24号〜第27号)発行
養護教育センターの各種事業内容、養護教育に関する新
動向等の紹介
(2) 内 容
巻頭言、特集記事、講義メモ、研究実践報告、実践紹介
私のアイディア、COFFEE BREAK(随想)、用語
解説等