教育年報1991年(H3)-182/234page

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 タ活用の実態調査を行い、養護教育におけるコンピュータ

 活用の現状と課題を明らかにすると同時に、情報収集や文

 献研究を行う。次いで、これを基に、各種障害児教育の中

 でコンピュータを今後どのように活用、充実させていった

 らよいのかの方策を探ろうとするものである。

(3) 研究の概要(第1年次)

 1) 研究計画

   本研究は平成3年度から3カ年計画で行うものとし、

  第1年次の内容・方法を次のようにおさえた。

  ○ コンピュータ活用に関する文献研究及び情報収集

  ○ 県内の養護教育におけるコンピュータ活用の実態調

   査

  ○ 所員のコンピュータ実技研修

  ○ 第1年次研究のまとめと次年度研究課題の検討

 2) ま と め

   アンケート調査結果から、本県においては養護教育独

  自のコンピュータ活用については、盲・聾学校を代表と

  する一部の学校で行われているだけであり、全体的には、

  まだ不十分であることも併せて明確になった。

   しかし、学校へのコンピュータ導入が、かなりの速度

  で進み、校内でのコンピュータに関する研修が多くの学

  校で始められている。また、コンピュータを「使ったこ

  とがある」教員が全体の約1/4を占め、「使ったこと

  がない」教員の80%も「機会があれば使ってみたい」と

  答えている。これらは、コンピュータ活用に対して、養

  護教育担当教員がなんらかの必要性や期待を持っている

  のではないかと推察される。

   このような現状と意識のギャップを早急に埋めていく

  には、次の3点が大切となる。

  ○ 教育機器としての学習指導上の有効性や限界及び活

   用の視点の明確化

  ○ コンピュータを有効に活用するための研修体制、指

   導体制の確立

  ○ 養護教育に必要な周辺機器やソフトウェアの開発・

   工夫と流通

 2 個 人 研 究

(1) 長期研究員による研究

 ○ 「脳損傷児 H のコミュニケーション活動の拡大を図る

  ための事例研究」―ひらがな文字の形成・促進を通して―

    福島県養護教育センター長期研究員  円谷美智子

 ○ 「登校拒否児童生徒への指導援助の在り方」― Q 男と

  のかかわりを通して―

    福島県養護教育センター長期研究員  高橋正美

 ○ 「コンピュータ操作経過と入力装置の段階的工夫」

    福島県養護教育センター長期研究員  渡邊世子

(2) 奨例研究

 ○  「進行性筋ジストロフィー症児の身体活動水準に関す

  る事例考察」

    福島県立郡山養護学校教諭      佐瀬一夫

 ○ 「作業意欲を高める切り絵学習」―切り絵の学習を通

  して目立性、向上心を身につける指導法―

    郡山市立郡山第二中学校教諭     鈴木久仁子

第5節 教育図書・資料の収集・

     提供事業

 1 教育図書・資料の収集・整理

(1) 教育図書の収集・整理

  教育図書については、養護教育に関する専門図書の充実

 に努め、本年度65冊の新規購入及び寄贈の結果、蔵書数は、

 5,159冊となった。その種類は、心身障害児の教育関係図

 書が2,941冊となり、医学関係図書が343冊、心理関係図

 書が166冊、その他の図書が1,709冊となった。これらの

 図書は、「日本十進分類法」の分類基準に従い分類・配架

 しているので、いつでも利用できるようになっている。

  また、50音検索カード及び分類記号検索カードを整え、

 コンピュータによる検索もできるようにして、問い合わせ

 等に応じられるようにした。

(2) 教育関係定期刊行物の収集・整理

  教育関係定期刊行物については、県費により今年度33種

 類を購入した。なお、これまでの購入や寄贈などにより、

 1,989冊に達している。

(3) 教育資料の収集・整理

  教育資料は、全国の関係機関や県内の教育機関の協力に

 より、研究紀要・研究報告書等の収集に努めており、集ま

 った209冊余りについて「教育資料分類基準」に従って分

 類した。県内の資料については、更に、学校別に分類・配

 架した。

 2 教育図書・資料の利用

 本年度の図書・資料は、養護教育センターの研修参加者を

含め、県内の養護教育に携わる教職員によって利用されてき

た。また、普通教育に携わる教職員や、障害児の保護者の利

用もみられた。利用者は、591名で、図書・資料の貸出冊数

は823冊であった。

第6節 広報・啓発事業

 1 所報養護教育

(1) 編集方針

  年間4回(第24号〜第27号)発行

  養護教育センターの各種事業内容、養護教育に関する新

 動向等の紹介

(2) 内  容

  巻頭言、特集記事、講義メモ、研究実践報告、実践紹介

 私のアイディア、COFFEE BREAK(随想)、用語

 解説等


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