教育年報1992年(H4)-002/225page

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学校の学習指導要領の全面実施にともない、小学校における

教育課程実施上の諸問題に関する専門的研修を実施し、教員

の指導力の向上と学習指導要領の趣旨の徹底を図り、本県学

校教育の充実・改善に資することを目的として「小学校教育

課程運営改善講習会」を実施したことなどが挙げられる。

 高等学校教育関係では、全国大会や国体で活躍できる選手

を養成するとともに、専門的な知識や技能を身に付けさせ、

将来の体育・スポーツ指導者の基礎づくりを行うほか、地域

社会、職場などで活躍できる人材を育成することを目的とし

て、県立田村高等学校に「体育科」を設置したこと、大学等

への進学を希望する生徒に対して、進路目標が十分達成でき

るよう、それぞれの学校が指導内容・方法等、各学校の実態

に応じて工夫・改善し、その成果が上がるよう支援すること

を目的とする「学力向上ステップアッププラン」事業を県立

高校11校の進学推進対象校で開始したこと、生徒一人ひとり

の個性を尊重し、来る21世紀を自分の力で、たくましく生き

ることのできる若人の育成を目指す、わが国初の全日制単位

制課程の高校「いわき光洋高等学校」が平成5年度開校した

ことなどがあげられる。

 養護教育関係では、会津養護学校に、職業を中心とした教

育を通して社会目立を目標とする高等部を開設したこと、盲

・聾・養護学校の初任者に対して、盲・聾・養護学校の教育

内容・方法に関する実践的指導力と養護教育に対する使命感

を養うとともに、幅広い知見を得させ、教員としての資質向

上を図ることをねらいとして、初任者研修か本格実施された

こと、養護学校の児童生徒が休業土曜日を楽しく過ごせるよ

う、8校の養護学校で学校週5日制に伴う学校開放事業を実

施したことなどが挙げられる。

 文化関係では、県内各地の文学ゆかりの地から

「ふくしま文学のふる里」を選定し、ふる里ふくしまを浮き彫りにし、

県民の文学への関心を高めるとともに福島県のイメージづく

りを行うことをねらいとする「ふくしま文学のふる里発見」

事業を開始したこと、県中地区で長沼町の「桜堂遺跡」をは

じめとする埋蔵文化財が新たに発見されるなど、2年次を迎

えた「埋蔵文化財周知事業」の充実を図ったこと、県内で仕

事や年中行事にともなって古くから伝承されてきた民謡を発掘

して一般に公開し、文化財としての価値の認識を深めるとと

もに、記録保存を図り、後世に正しく伝えることを目的に県

芸術祭主催行事として毎年開催されている「福島県民謡まつ

り」が10周年を迎え、記念大会として喜多方プラザにおいて

盛会裏に開催されたこと(10月4日)などが挙げられる。

 保健体育関係では、広く県民にスポーツ・レクリエーショ

ンの場を提供することにより、県民のスポーツ・レクリエー

ション活動を一層促進し、健康で明るく潤いのある県民生活

の実現に資することを目的として、福島市内各公共施設等に

おいて「第1回県民スポーツ・レクリエーション祭」を開催

したこと(10月10日・11日)、市町村社会体育担当者の参加

を求め、社会体育行政施策の趣旨徹底を図るとともに、社会

体育の実践について研修を深め、生涯スポーツの普及・啓発

を図ることをねらいとする「市町村社会体育担当者会議」を

開催したこと(6月3日)、また、学校給食にかかわる各種

の資料を県内の各学校等に提供し、その資料の活用を奨励す

ることにより、児童生徒の食習慣や食事環境の改善を図るこ

とをねらいとする学校給食広報紙「学校給食 うつくしま

ふくしま」を発行したこと、学校における性に関する指導の

充実を図るための指導資料として、本県では初めて「性に関

する指導の手引」を監修したことなどが挙げられる。

 福利厚生関係では、教職員の悩みなど、一身上の様々な心

配事についての相談に応じ、健康の維持や生活の安定を図る

とともに、明るい職場づくりに役立てようとする「教職員相

談」事業を開始したこと(4月20日)、平成3年度から

福島市岡島に建設が進められていた、世帯用各3D Kの24戸鉄筋

コンクリート造4階建の福島県教職員住宅が竣工したこと

(10月26日)などが挙げられる。

 その他、国体関係では、「ふくしま国体」開催に向けて、

より一層の競技力向上を図るための事業として、

ふくしま国体37競技種目に監督・コーチを委嘱し、責任体制を明確にす

るための「監督・コーチ会議」を開催したこと、ふくしま国

体の候補選手等を指定し、強豪県で強化合宿を行い、明

確な目標をもって競技力の向上が図れるようにするための

「指定選手強化合宿」事業を実施したことなどが挙げられる。

その成果があって、山形県で開催された「べにばな国体」に

おいては、少年男子剣道、少年女子弓道で見事優勝するなど

の活躍がみられ、少年選手の頑張りに刺激された成年選手の

健闘もあり、男女総合成績で平成3年の41位から31位に大き

く躍進した。また、高郷村の荻野漕挺場をはじめとして、各

競技施設等の整備が図られたことが挙げられる。

第2節 教育委員会予算の概要

 平成4年度の本県一般会計予算額は、総額8,272億円で、

平成4年3月19日の福島県議会において可決成立した。

 そのうち、教育委員会所管に係る教育予算総額は、2,062

億9,919万円となり、県の一般会計予算全体の24.%.!

年度当初予算と比べると4.1%の増となっている。

 目的別内訳でみると小学校費が全体の38.8%にあたる

799億8,388万8千円、高等学校費が26.8%にあたる552

億5,373万6千円、中学校費が24.4%にあたる503億9,855

万2千円、特殊学校費が4.4%にあたる90億2,576万7千

円、その他か5.6%にあたるl16億3,724万7千円となって

いる。

 性質別内訳でみた施設整備関係の主な執行状況では、

会津工業高等学校の校舎を改築したこと(総事業費492,631千円、

平成5年3月竣工)、福島西女子高等学校体育館(平成5年

3月竣工、総面積1,613m2)をはじめとする6校の県立学校

体育施設の整備を図ったこと、特殊学校施設整備事業として

平成4年度の環境整備工事の完成により一応完了したこと

(平成元年度〜平成4年度、総工事費1,702,899千円)な

どが挙げられる。


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