第12章 福島県教育センター
第1節 概 要
教育センターは、本県の学校教育の向上・発展に寄与する
ために、教育に関する専門的・技術的な事項の調査研究を推
進した。さらに、教育関係職員の研修をはじめ、情報教育、
教育相談、教育図書、・教育資料の整備、教育関係の情報の提
供等に関する事業を実施した。
これらの事業概要は、次のとおりである。
1 研 修 事 業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、平成5年度
福島県公立学校「教職員現職教育計画」に基づく各種の研修講
座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修 1(教職5年経験)、
経験者研修 2(教職10年経験)並びに、専門研修 2(名教科
道徳、特別活動、教育工学、生徒指導・教育相談、情報処理
教育)と専門研修 3(学校経営・教育研究法)を実施した。
平成5年度の研修講座の実績は、次のとおりであった。
○講 座 数 43講座
○講座開設回数 91回
○講座研修者数 3,080人
○講座開設期間 平成5年5月17日〜平成6年2月25日
2 研 究 事 業
教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命を
達成するために、広い視野に立って教育の動向を見定め、県
が直面している教育的課題や学校における教育実践上の諸問
題に関連する研究主題を設定し、理論と実践の両面から専門
的・実践的に研究を推進した。
研究は、プロジェクトチームによる共同研究と所員の個人
研究とに分けられる。共同研究と所員研人研究の成果の一部
は「研究紀要」としてまとめた。また、個人研究については、
機関誌「所報ふくしま」に随時掲載され紹介された。
さらに、これらの研究成果を平成6年2月10日に教育セン
ターで行われた福島県教育研究発表大会で発表し、県内外へ
の研究成果の普及に努めた。
共同研究の研究主題は、次のとおりである。
1) 学力診断テスト研究開発
2) 一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究
3) 児童生徒の創造性を高めるための教材開発
4) 学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究
3 教育相談事業
(1) 適応指導教室(HFTクラブ)
適応指導教室を開設し、カウンセリングや小集団活動な
どを通して、不登校児童生徒の集団活動への意欲を高める
ための援助の在り方を探った。
(2) 教育相談
幼児及び児童生徒の教育上の諸問題について相談に応じ、
問題の解決・改善に向けてカウンセリングや遊戯療法など
による援助にあたった。
4 教育図書・資料事業
県内名学校の教職員の教育実践活動に役立つ教育図書・資
料に関する情報を提供するため、教育専門図書・資料の収集
・整理を行った。また、それらの資料の活用を図るために「
教育研究資料目録」を作成し、教育庁関係機関及び県下各学
校に配布した。そして各学校の教育資料・情報に関する求め
に迅速に応ずるためにコンピュータによる検索を行い、電話
・FAX等により情報を提供するとともに、活用の促進を図
るために図書・資料の郵送による貸し出しも実施している。
5 情報処理教育
教育研修として、専門研修と基本研修を行った。
専門研修では汎用電子計算機やパソコンを使用し、コンピ
ュータ言語によるプログラミング、教材ソフトウェアの作成、
CAD・表計算ソフトの活用等に関する情報処理技術や情報
活用能力を高める研修を行い、基本研修ではコンピュータ利
用の基礎を培う情報リテラシーに関する研修を行った。
また、高等学校の生徒に対しては、プログラミング、パソ
コンCAD、ワープロ等の実習指導を行った。
本センターの情報処理施設を利用した教職員は延べ6,695
人であり、高等学校生徒は延べ925人であった。
第2節 教職員研修
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置付けられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修護摩の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者、教職10年経験者を対象とした。
初任者研修の内容は、教科指導、生徒指導・教育相談、
情報リテラシー及び教職一般に関するものなどで、小・中
学校は2泊3日を1回、高等学校は学校教育と法令を加え
て、前期・後期にわたり2泊3日を2回実施した。
経験者研修 1・ 2は、教科の特性を生かした指導法など
経験年数を踏まえた内容で、2泊3日を1回実施した。
(2) 専門研修 2は、新学習指導要領に基づき、社会の変化に
対応した教育活動の実践に資するために、教科指導、導徳
特別活動、教育工学、生徒指導、学校カウンセラー、情報
処理教育等に関する各種の講座の他に、環境教育講座を新
設し実施した。
専門研修 3は、教科等に関しての研究や指導力の深化、
全校的視野や経営的視点に立って学校教育全般の充実を図
るため、教育研究法、学校経営に関する講座を実施した。