教育年報1994年(H6)-002/231page
を実施した。
3 高等学校教育関係
(1) 学習指導要領改訂に基づく教育課程が実施されたことか
ら、高等学校の教育課程の実施に伴う指導上の諸問題を研
究協議し、その解明を図り、教職員の指導力の向上に資す
る目的を持つ「教育課程運営改善講習会」を県内4地区で
開催した。
(2) 40人学級が促進され、その着手率も50%を越え、平成8
年度の完全実施に向け、着々と準備が進められた。
(3) 高等学校の進学推進モデル校として新たに4校を指定し
て合計22校とし、高等学校生徒の学力向上と大学進学等へ
の進路希望実現を推進する「学力向上ステップアッププラ
ン事業」の一層の充実に努めた。
(4) 県立高等学校の施設整備事業関係では、福島西女子筒等
学校他、延べ33校の校舎・体育館を大規模改造事業(33億
4,841万9千円)で整備し、須賀川女子高等学校・郡山高
等学校を校舎増改築事業(6億1,311万4千円)で整備し
たこと。また、産業教育振興法に基づく施設の整備として、
福島高等学校他3校の家庭科総合実習室(5億2,652万5
千円)を整備するとともに、郡山北工業高等学校に環境シ
ステムの実習棟(4億1,763万3千円)を整備した。
4 養護教育関係
(1) 「県立あぶくま養護学校」を新設し、就学の場の拡充を
図った。
(2) 障害のある児童生徒が、盲・聾・養護学校の公開や共同
活動等を通じ、健常児と親しみをもってふれあい、社会の
一員としていきいきと地域の中で生活できるよう支援する
「いきいきふれあいフェスティバル事業」を実施した。
(3) 軽度の心身障害児を担当している小・中学校の通常の学
級の教員を対象として、心身障害児に関する基礎的知識、
援助の方法等についての資質を高める事業として「軽度心
身障害児指導法セミナー」を実施した。
(4) 平成5年度から制度化された「通級による指導」の課題
を明らかにし、具体的な就学手続きや指導方法について研
究を深めるため「ふれあい通級スタディプラン」を実施し
た。
(5) 盲・聾・養護学校教育の充実を図るため「養護教育改善
対策会議」において、小・中・高等部の一貫した指導につ
いて研究を行った。
(6) 特殊学校の施設整備事業として前年度に引き続き、あぶ
くま養護学校の校舎の整備(9億5,465万1千円)を図っ
た。
5 文 化 関 係
(1) 県立美術館及び県立博物館では、学校週5日制対応事業
の一環として、小・中学生を対象に毎月第2土曜日の普通
観覧料を全額免除した。
(2) 天然記念物の将来的な保護と活用について検討するため、
「赤井谷地沼野植物群落」及び「尾瀬」についての調査研
究事業に取り組んだ。
(3) 県民の教育、芸術及び文化の振興を図るため、美術作品
及び博物館資料の整理・収集と調査研究を計画的に推進し、
常設展・企画展等の充実に努めるとともに、教育普及のた
めの各種事業を行い、本県美術振興の中心施設としての県
立美術館及び県内博物館の中心施設としての県立博物館の
整備充実に努めた。
(4) 県立美術館が開館10周年を迎えたことから、記念式典等
を実施した。
(5) 文化財の調査・研究・保存等の拠点施設として、「文化
財センター」(仮称)の整備について、文化財保護審議会
において基本構想の検討を行った。
6 保健体育関係
(1) 東北各県の地域スポーツの振興と体育指導委員の資質の
向上を図ることを目的として「平成6年度体育指導委員東
北地区研修会」を開催した。
(2) 広く県民にスポーツ・レクリエーションの場を提供し、
活動を一層促進するため「第3回スポーツ・レクリエーシ
ョン祭」を開催した。
(3) 「ふくしま国体」の開催を契機に学校教育を活性化させ
ることをねらいとして「ふくしま国体推進学校教育関係者
連絡協議会」を開催した。
(4) 生活環境や生活様式の急激な変化に対応し、人間として
調和のとれた心身ともに健全な児童生徒を育成するため、
体力・運動能力の向上をはじめ、保健・安全教育、学校給
食の充実等により健康教育の推進に努めた。
7 福利厚生関係
(1) 教職員自らが現職中から退職後までを視野に入れた長期
的な生涯生活設計を主体的に確立し、実現していくことを
支援する視点から総合的な計画として、平成6年3月に策
定された「福島県教職員生涯生活設計推進計画」に基づき、
教職員一人ひとりが自らの生涯生活設計を確立し、実現し
ていくことの重要性について理解を深めるため、「教職員
生涯生活設計推進事業」の実施を通じ、教職員に対し生涯
生活設計に関する普及啓発を行った。
その他、国体に関する事業では、「ふくしま国体」の開催
県としてふさわしい成績を収めるために、より一層の競技力
向上を図る事業として、「競技力向上推進総合計画」に基づ
き、指導者の養成・確保等を計画的に行い、競技力の向上と
県民スポーツの普及・振興を図るとともに、重点強化合宿事
業等により選手の育成・強化を図ってきたこと。また、その
成果があって、愛知県で開催された「わかしゃち国体」夏季
大会及び秋季大会では本県選手団が大健闘し、第49回国民体
育大会男女総合成績で第4位に躍進したこと。さらに、平成
7年1月には「ふくしま国体」が幕を明け、スケート・アイ
スホッケー競技会では男女総合7位、スキー競技会では第4
位の好成績を上げ、冬季大会時点で第6位につけており、総
合優勝に向け好発進したことが明るい話題としてあげられる。
関連して競技施設の整備事業としては、「ふくしま国体」に
おける漕艇競技の円滑な運営を図るとともに、漕艇の競技力
の向上を目的として整備を進めていた「県営荻野漕艇場」の
コースや艇庫等が完成したことがあげられる。