教育年報1994年(H6)-129/231page
第10章 保 健 体 育
第1節 概 要
保健体育関係では、東北各県の地域スポーツの振興と体育
指導委員の資質の向上を図ることを目的として「平成6年度
体育指導委員東北地区研修会」を開催したこと。広く県民に
スポーツ・レクリエーションの場を提供し、活動を一層促進
するため「第3回県民スポーツ・レクリエーション祭」を開
催したこと。「ふくしま国体」の開催を契機に学校教育を活
性化させることをねらいとして「ふくしま国体学校教育関係
者連絡協議会」を開催したこと。そのほか、生活環境や生活
様式の急激な変化に対応し、人間として調和のとれた心身共
に健全な児童生徒を育成するため、体力・運動能力の向上を
はじめ、保健・安全教育、学校給食の充実等により健康教育
の推進に努めたことなどがあげられる。
また、国体関係では、「ふくしま国体」開催県としてふさ
わしい成績を収めるために、より一層の競技力向上を図る事
業として、「競技力向上推進総合計画」に基づき、指導者の
養成・確保等を計画的に行い、競技力の向上と県民スポーツ
の普及・振興を図るとともに、重点強化合宿事業等により選
手の育成・強化を図ってきたことがあげられる。その成果が
あって、愛知県で開催された「わかしゃち国体」夏季大会及
び秋季大会では本県選手団が大健闘し、第49回国民体育大会
男女総合成績で第4位に躍進した。さらに、平成7年1月に
は「ふくしま国体」が幕を開け、スケート・アイスホッケー
競技会では男女総合第7位、スキー競技会では第4位の好成
績を上げ、冬季大会終了時点で第6位に着けており、総合優
勝に向け好発進した。さらにまた、競技施設の整備事業とし
ては、「ふくしま国体」における漕艇競技の円滑な運営を図
るとともに、漕艇の競技力の向上を目的として整備を進めて
いた「県営荻野漕艇場」のコースや艇庫等が完成したことが
あげられる。
保健体育課においては、体育、保健・安全、給食の各分野
の相互連携を図りながら、平成6年度福島県教育委員会重点
施策である「21世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒の育
成」と「県民の活力をはぐくむ体育・スポーツの振興」を柱
とした各種施策の推進に努めた。その成果は次のとおりであ
る。
また、平成7年に本県で開催される第50回国民体育大会の
総合優勝に向けた競技力向上対策については、競技力向上対
策本部を中心に、指導者の養成確保、選手の育成強化、特殊
競技用具の整備など、各般の施策を積極的に推進した。
その結果、冬季大会スケート・アイスホッケー競技会及び
スキー競技会合せて競技得点182,5点を獲得し、男女総合第
6位と好位置に着けている。
1 学校体育の充実
学校における体育・スポーツ活動の充実を図るため、体育
担当者及び運動部活動担当者を対象に各種体育実技指導者講
習会をはじめ、豊富な経験をもつ民間の優れた指導者を学校
に派遣する指導協力者派遣事業等を通して指導者の資質の向
上と児童生徒の体力及び技能の向上に努めた。
また、文部省指定の「体力つくり推進校」、 「武道指導推
進校」、「運動部活動研究推進校」の各種研究校における実
践研究や公開発表を契機として、体力の向上のための手だて
や生涯スポーツの基盤づくりを目指した学習指導の在り方な
ど今日的な課題の解決法について広く普及に努めた。
さらに、本県児童生徒の体力・運動能力の実態を把握する
ためスポーツテストを実施し、その結果を分析し活用を図る
とともに、体力つくりに積極的に取り組んでいる学校を紹介
するなど各学校の実態に応じた体力つくりの推進に努めた。
さらにまた、小学校運動競技奨励事業や運動部活動指導者
派遣事業を実施し、運動に親しむ児童生徒の育成を図るとと
もに、体力・運動能力の向上と運動部活動の活性化に努めた。
2 学校保健・学校安全の充実
学校における保健安全の充実を図るため、学校保健関係教
職員に対して「保健教育・安全教育指導者研修会」を県内3
箇所で開催するとともに「エイズ教育指導者研修会」を県内
6箇所で開催、養護教諭に対しては、新採用・経験者1、2
及び 3の研修会を開催し、養護教諭等学校保健関係教職員の
資質の向上に努めた。
保健管理の面では、児童生徒及び教職員の健康診断を実施
し、疾病・異常の早期発見に努めた。
また、指定校関係では、「エイズ教育(性教育)推進事業」
(文部省指定)が2年目に入り、梁川小・中・高が連携して
指導体制の確立と予防教育の実践に努めるとともに、「むし歯
予防推進校」 (文部省指定)の鹿島町立鹿島小がむし歯予防
推進の実践発表を行い、さらに「健康つくり推進校(県教育
委員会指定)の山都町立山都第一小も総合的な健康教育の推
進についての実践発表を行い、それらの成果の普及に努めた。
次に、安全教育・安全管理の徹底を図るため、学校安全関
係教職員を対象に「交通安全教育指導者研修会」を県内3箇
所において開催し、その資質の向上に努めた。
また、日本体育・学校健康センター委嘱による「学校安全
研究推進校」に矢吹町立矢吹中学校を指定して、安全教育を
総合的に推進し、その成果を地域の学校に普及させるよう努
めるとともに、同委嘱による「学校事故防止対策に関する実
践的研究事業」に取り組み、けがや自転車事故の実態把握と
ともに、災害事故及び交通事故防止の研究に努めた。
さらに、 「二輪車研究指定校」として県立小野高等学校を
指定し、通学時の二輪車使用許可生徒に対し、二輪車乗車に
必要な能力、マナーを育てるための学校・家庭・地域との連
携のあり方について研究を進めている。
顕彰事業関係では、県教育委員会が行う「よい歯の学校表
彰」や「健康推進学校表彰」等のほかに、県学校保健会が行
う「学校保健優良学校表彰」、日本体育・学校健康センター
が行う「学校安全優良学校表彰」を行い、これらの顕彰事業
への応募によって、自校の健康教育にかかわる課題の的確な