教育年報1994年(H6)-179/231page
第12章 福島県教育センター
第1節 概 要
教育センターは、本県の学校教育の向上・発展に寄与する
ために、教育に関する専門的・技術的な事項の調査研究を推
進した。さらに、教育関係職員の研修をはじめ、情報教育、
教育相談、教育図書・教育資料の整備、教育関係の情報の提
供等に関する事業を実施した。
これらの事業概要は、次のとおりである。
1 研修事業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、平成6年度福
島県公立学校「教職員現職教育計画」に基づく各種の研修講
座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修 1(教職5年経験)、
経験者研修 2(教職10年経験)並びに、専門研修 2(各教科、
道徳、教育工学、特別活動、生徒指導・教育相談、情報処理
教育、環境教育、国際理解教育)と専門研修 3(学校経営、
教育研究法)を実施した。
平成6年度の研修講座の実績は、次のとおりであった。
○講座数 42講座
○講座開設数 92回
○講座研修者数 3,343人(延べ人数4,212人)
○講座開設期間 平成6年5月16日〜平成7年3月3日
2 研 究 事 業
教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命を
達成するために、広い視野に立って教育の動向を見定め、県
が直面している教育的課題や学校における教育実践上の諸問
題に関連する研究主題を設定し、理論と実践の両面から専門
的・実践的に研究を推進した。
研究は、プロジェクトチームによる共同研究と所員の個人
研究とに分けられる。プロジェクト研究と所員個人研究の成
果の一部は「研究紀要」としてまとめた。また、個人研究に
ついては機関誌「所報ふくしま」に随時掲載し紹介した。
さらに、これらの研究成果を平成7年2月10日に教育セン
ターで行われた福島県教育研究発表大会で発表し、県内外へ
の研究成果の普及に努めた。
プロジェクト研究の研究主題は、次のとおりである。
1) 学力診断テスト研究開発
2) 学力向上調査研究
3) 教育情報ネットワークシステム調査研究
4) 学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する調査研究
3 教育相談事業
(1) 適応指導教室(HFTクラブ)
カウンセリングや小集団活動(宿泊体験学習、野外活動
など)を通して、適応指導教室における望ましい指導援助
の在り方の実践研究を進めた。
(2) 教 育 相 談
幼児及び児童生徒の教育上の諸問題について相談に応じ、
問題の改善・解決に向けてカウンセリングや遊戯療法など
による援助にあたった。
4 教育図書・資料事業
県内各学校の教職員の教育実践活動に役立っ教育図書・資
料に関する情報を提供するため、教育専門図書・資料の収集
・整理を行った。また、それらの資料の活用を図るために
「教育研究資料目録」を作成し、教育庁関係機関及び県下各
学校に配布した。また各学校の教育資料・情報に関する求め
に迅速に対応するレファレンスサービスを行っている。更に
電話・FAX等により情報を提供するとともに、活用の促進
を図るための図書・資料の郵送による貸し出しも実施してい
る。
5 情報教育事業
情報教育に関する事業として、公立学校の教員研修と高等
学校の生徒実習を行った。
教員研修の基本研修では、コンピュータリテラシーの向上
及び活用のための研修を行い、専門研修では、汎用機やパソ
コンを用いて、主に教材ソフトウェア作成、表計算ソフトウ
ェア活用等の研修を行い、研修を通して情報活用能力を養う
と共に、指導者として指導力を高めるための研修を行った。
高等学校の生徒実習では、汎用機によるプログラミング、
パソコンCAD等の実習を行った。
平成6年度の教員研修者数は、約1,770人(延:5,400
人)、また、実習した生徒は、約310人であった。
第2節 教職員研修
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置づけられ、それぞれ次のとおり実践した。
1 研修講座の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者、教職10年経験者を対象とした。
初任者研修の内容は、教科指導、生徒指導・教育相談、
情報リテラシー及び教職一般に関するものなどで、小・中
学校は2泊3日を1回、高等学校は学校教育と法令及び教
育経営を加えて、前期・後期にわたり2泊3日を2回実施
した。
経験者研修 1・ 2は、教科の特性を生かした指導法など
経験年数を踏まえた内容で、2泊3日を1回実施した。
(2) 専門研修 2は、新学習指導要領に基づき、社会の変化に
対応した教育活動に資するために、教科指導、道徳・特別
活動、教育工学、生徒指導、学校カウンセラー、情報処理
教育、環境教育等に関する各種の講座の他に、本年度より