教育年報1995年(H7)-093/256page

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第2節 学 校 教 育

1 概要

(1)指導行政の基本方針

新世紀ふくしまを担う「明るく個性豊かな人間の育成」

を基本目標に、21世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒

の育成(養護教育の充実)を図るために、

1 適正就学の推進

2 教育機会の拡充

3 教育内容・方法の改善充実

4 生徒指導・進路指導の充実

5 教育諸条件の整備充実

の観点から施策を展開し、その充実に努めた。

特に、児童生徒の障害の重度化・重複化等心身の障害の

多様化に対応するため、障害の状態及び能力・適性等に応

じる教育を一層進めて、可能な限り積極的に社会参加・自

立する人間の育成を目指した教育に努めた。

また、心身に障害のある児童生徒の経験を広め、社会性

を養い、好ましい人間関係を育てるため、地域や学校の実

態等に応じ、学校の教育活動全体を通じて、障害のない児

童生徒及び地域社会の人たちと活動を共にする機会を積極

的に設け、小・中学校の児童生徒、教職員、地域住民が心

身障害児に対する正しい理解と人間尊重の精神に根ざした

心の触れ合いを深めるように努めた。

さらに、「通級による指導」が制度化されたことにとも

ない、「ふれあい通級スタディプラン」において、通級に

よる指導の趣旨の徹底と啓発に努めた。

(2)指導組織

課長、主幹兼課長補佐、主任管理主事兼振興係長、管理

主事、主任指導主事各1名、指導主事3名及び副主査2名、

各教育事務所養護教育担当指導主事7名(兼任)及び養護

教育担当学校教育指導委員14名(県立学校7名、公立学校

7名)をもって指導に当たった。

(3)学校教育指導の重点

前記の基本方針に基づき、指導の重点を次のように設定

し、指導の充実を図った。

1)教育内容・方法の改善充実

ア 盲・聾・養護学校の学習指導要領を踏まえ、教育課

程の円滑な実施を図るため、盲・聾・養護学校、特殊

学級の教員に対し、教育課程編成の工夫や管理の研修

を通して、指導内容・方法の改善と指導力の向上に努

めた。

イ 児童生徒の心身の障害の種類・程度及び発達段階や

適性等に応じて、社会参加・自立を目指すために必要

な基礎・基本となる学力の向上と指導法の改善を図る

ため、県立盲・聾・養護学校、市立養護学校を含めた

養護教育改善対策会議を開催し、「子どもたちが地域

社会の中で、より豊かに生きていくために」の研究に

努めた。

ウ 県立学校共同訪問(11校)、特殊学級設置校共同訪

問(13校)により、心身障害児の学習指導、生徒指導、

管理運営等の諸問題について協議を深め、指導助言を

行い、学校学級運営の質的向上に努めた。

エ 研究学校を指定し、教育課程、指導内容・方法の改

善充実に努めた。

心身障害児理解推進校(小学校1校、中学校1校)

2)交流教育の推進

養護教育地域交流推進実施校(精神薄弱養護学校1校、

協力校小学校1校、中学校1校、協力地域1地区)を指

定し、心身障害児が心身に障害のない児童生徒や地域社

会の人たちと活動をともにすることにより、心身障害児

の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育て

るためだけでなく、特に学校周辺の地域住民、小・中学

校の児童生徒や教職員が心身障害児とその教育に対して

正しい理解と認識を深めるとともに、互いに連帯意識を

育むことに努めた。

3)軽度心身障害児の指導の充実

小・中学校の通常の学級に在籍する軽度心身障害児を

担任する教員を対象とし、6つの県立養護学校を会場と

して軽度心身障害児指導法セミナーを開催した。授業参

観、会場校教員による講話、研究協議、「心身障害児へ

の援助〜子どもを取り巻く人々の協力」という資料を用

いて協議を行い、軽度心身障害児と関わりのある人々と

の関係や指導の在り方について研修を行った。

4)生徒指導の充実

児童生徒の障害の状態や発達段階を教職員の共通理解

の基に生徒指導の機能を生かし、児童生徒一人一人の自

己実現を図るとともに、校内の指導体制を強化し、小・

中・高等部の一貫した指導の推進に努めた。

5)進路指導の充実

児童生徒が自己の長所を知りその伸長を図り、望まし

い進路選択ができるようにするために、個に即した進路

指導の推進と校内の進路指導体制の確立に努めた。

6)指導職員の資質の向上のため、研修の充実に努めた。

ア 養護教育担当指導主事会議(2回)

イ 県立学校学校教育指導委員連絡協議会(1回)

7)指導職員の資質の向上のため、教職員研修の充実に努

めた。

ア 盲・聾・養護学校初任者研修の実施

本年は初任者研修本格実施4年目であり、これまで

の試行や昨年の結果をもとに国際理解を研修内容に加

え実施した。

39名の初任者は、学級担任または学級副担任となり、

教育実践を通し指導力と使命感を養い、幅広い知見を

得させ、その後の教員としての資質向上の基礎を形成

することに努めた。

イ 特殊教育新任担当教員研修会、養護教育研修主任研

修会、寄宿舎職員研修会、訪問教育担当教員研修会の

実施

ウ 養護教育長期・短期研修生の派遣

8)心身障害児就学指導の推進

心身障害児就学指導講習会を開催し、地域の実態に即

した適正な就学指導を進めるため、市町村教育委員会の

就学指導担当者及び小・中学校、盲・聾・養護学校の校

内就学指導委員会等の教員を対象とし、心身障害児の就


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