教育年報1995年(H7)-204/256page

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のか。

このような問いに対して、県全体を調査対象とする調査・

分析を進め、学校における教科指導の改善を図り、本県の

「学力向上」に寄与する。

(2)本年度の研究事業

「教研式・全国標準診断的学力検査・NRT」を使用し

て小学校5年国語、算数、中学校2年国語、数学、英語に

ついて、調査(標本抽出の信頼度は県全体で95%、各地区

で90%)した。その結果を分析し、本県の学力到達状況、

成績分布の特徴、長所・短所、学力向上を図るための指導

の要点などからなる報告書を作成した。

3 教育情報ネットワークシステム

調査研究プロジェクト

科学技術教育部

(1)調査研究の目的と趣旨

各種の教育情報・教育資料を提供するなど、教育活動を

支援する「教育情報ネットワークシステム」を構築するた

めの調査研究を進めている。

〈目的〉

1)教育情報資産の有効活用

2)学校・教育関係機関における教職員の教育活動の支援

3)児童生徒の学習活動の支援

4)教職員の資質向上による児童生徒の学力向上

ネットワークシステムは、教育情報データベースの構築、

ソフトウェアライブラリセンターの開設、ネットワークを

構成するためのパソコンによる通信を考えている。

(2)今年度の調査研究進捗状況

1)教育情報データベースの構築

教育情報のデータベース化についての研究を進めた。

2)ソフトウェアライブラリセンターの開設

ア 学校の授業等に使用する学習ソフトウェアの検索、

試用を行う機会を提供することにより、学校の実態に

即したソフトウェアの選択ができるようになり、さら

に教職員のコンピュータ活用による授業改善の研究や

研修活動の場として有効に利用されることをねらいと

して開設された。

イ 情報処理技術者と共同で教育用ソフトウェアの開発

を行い共同開発に関する研究を進めた。

3)パソコンによる通信システムの調査・研究

ネットワークシステムの機器構成についての研究やイ

ンターネット・通信回線(ISDN等)についての研究

を進めた。

4 児童生徒の学校適応への指導援助の在り

方に関する研究

教育相談部(第1年次)

本研究は、児童生徒一人一人が学校生活に柔軟に適応でき

るようにするにはどのような指導援助が有効であるかを、

「個人と環境との調整」という視点から、2年計画で追究す

ることをねらいとした。

具体的には、児童生徒が学校生活に適応していくためには、

その基盤となる学級の人間関係がポイントであると考えた。

そこで、この研究での環境を学級の人的環境(級友や学級

担任)ととらえ、学級の人間関係づくりを構成的グループ・

エンカウンターを中心に、体験(演習)をとおして進めた。

本年度は、「学級集団での好ましい人間関係づくり」を指

導援助の重点と設定し、次のように研究を進めた。

(1)学級の児童生徒を適応か不適応か二分する見方から、一

見すると適応が図られているようで、実は学級に同調して

いるだけの児童生徒を《順応》としてピックアップした。

そして、学級担任の目が届きにくいと思われるこの順応児

童生徒を中心に指導援助を進めた。

(2)好ましい人間関係づくりを目指して、構成的グループ・

エンカウンターの中から、特に自己理解、他者理解が深ま

る演習を取り上げ、発達段階を踏まえるなど工夫して、小・

中・高校のそれぞれ2学級で実践した。

(3)不適応の児童生徒には、(2)の他に特に個別相談や社会技

能訓練などを意図的に取り入れて実践した。

本年度の研究の結果、順応の児童生徒を中心に自己理解

や級友への理解が深まり、互いの協力性、親和性も増し、

好ましい人間関係がつくられてきたと言える。

来年度は、「一人一人のよさや違いを認め合える学級の

人間関係づくり」の指導援助の在り方を追究したい。

第4節 教 育 相 談

教育相談部では、来所及び電話による相談を受けている。

今年度の相談の概要は以下の通りであった。

1 対象別

来所相談件数・延べ人数、電話相談延べ回数
種別/対象 一般 保護者 教員  計
来所相談 件数 4 65 64 47 10 0 0 190件
延べ 人数 6 74 141 48 10 411 45 735人
電話相談 延べ 回数 14 229 252 185 91 0 0 771回

※電話相談の回数は、対象となる児童生徒について主と

して保護者・教員と相談したものである。

2 区分別

来所相談件数・延べ人数、電話相談延べ回数
種別/区分 知能 学業 性格行動 身体反応 進路適性 教育一般
来所相談 件数 0 131 2 6 51 190件
延べ人数 0 564 11 14 146 735人
電話相談 延べ回数 2 480 1 34 254 771回


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