教育年報1996年(H8)-000-01/254page
序
広範で急速な社会変化に的確に対応した文教行政の展
開が強く求められている我が国では、平成7年4月に文部
大臣から「21世紀を展望した我が国の教育の在り方につい
て」の諮問を受けた中央教育審議会が、平成8年7月19日
に第一次答申を公表しました。そこには、これからの教育
は[ゆとり]の中で子供たちに[生きる力]をはぐくむこ
とが大切であると示されています。
県教育委員会では、西暦2000年を目標年度とした「第4
次福島県長期総合教育計画」を策定し、「新世紀ふくしまを担う『明るく個性豊かな人間の
育成』」を基本目標に教育行政の推進に努めています。長期総合教育計画では、その目標実
現に向けて年度ごとに重点施策を設定し、当該年度において重点的に推進する施策及びその
具体化の方向を示し、諸施策の推進に積極的に取り組んできたところです。平成8年度は、
この長期総合教育計画がスタートして中間の年にあたりました。
主な施策の展開について概観しますと、まず、はじめに生涯学習の振興では、県民の生涯
にわたる多様な学習活動のための支援体制の整備や、学習機会の拡充、生涯学習の普及・啓
発等に努めました。また、県内では4番目の青少年教育施設「福島県いわき海浜自然の家」
を開所し、次代を担う心豊かな青少年の育成に努めました。
学校教育については、学力向上対策事業の充実に努めるとともに、総合学科高等学校とし
ての光南高等学校の開設や学科改編等の高校教育改革の推進を図りました。また、あぶくま
養護学校高等部の開設や県立学校の大規模改修等、教育諸条件の整備にも力を注ぎました。
文化関係では、県内在住者及び県出身者から作品を公募し一般に展覧する「県展」開催事
業が50周年、県立博物館は開館10周年を迎え、記念式典や特別企画展等を実施するとともに
県民の芸術文化に対する意識の高揚を図りました。
スポーツの振興では、「ふくしま国体」を契機に高められた競技力の維持向上と「スポー
ツ振興基金」等による生涯スポーツの振興に努めました。「第51回国体」においては、男女
総合9位という輝かしい成績を残すことができました。
本県教育行政の実績をまとめた平成8年度実績「教育年報」の発刊にあたり、その施策の
一端について申し述べました。本誌が本県教育の限りない発展のために、多くの皆様方に有
意義に活用されますよう祈念します。
平成9年9月
福島県教育委員会
教育長 杉原陸夫