第2節 学校教育
1 概 要
(1)指導行政の基本方針
新世紀ふくしまを担う「明るく個性豊かな人間の育成」
を基本目標に、21世紀を担う心豊かでたくましい児童生徒
の育成(養護教育の充実)を図るために、
1 適正就学の推進
2 教育機会の拡充
3 教育内容・方法の改善充実
4 生徒指導・進路指導の充実
5 教育諸条件の整備充実
の観点から施策を展開し、その充実に努めた。
特に、児童生徒の障害の重度・重複化、多様化に対応す
るため、障害の状態及び能力・適性等に応じる教育を一層
進めて、可能な限り積極的に社会参加・自立する人間の育
成を目指した教育に努めた。
また、障害のある児童生徒の経験を広め、社会性を養い、
好ましい人間関係を育てるため、地域や学校の実態等に応
じ、学校の教育活動全体を通じて、障害のない児童生徒及
び地域社会の人たちと活動を共にする機会を積極的に設け、
小・中学校の児童生徒、教職員、地域住民が障害に対する
正しい理解と人間尊重の精神に根ざした心の触れ合いを深
めるように努めた。
(2)指導組織
課長、主幹兼課長補佐、主任管理主事兼振興係長、管理
主事、主任指導主事各1名、指導主事3名及び副主査1名、
主事1名、各教育事務所養護教育担当指導主事7名及び養
護教育担当学校教育指導委員6名をもって指導に当たった。
(3)学校教育指導の重点
前記の基本方針に基づき、指導の重点を次のように設定
し、指導の充実を図った。
1)教育内容・方法の改善充実
ア 盲・聾・養護学校の学習指導要領を踏まえ、教育課
程の円滑な実施を図るため、盲・聾・養護学校、特殊
学級の教員に対し、教育課程編成の工夫や管理の研修
を通して、指導内容・方法の改善と指導力の向上に努
めた。
イ 県立学校共同訪問(10校)、特殊学級設置校共同訪
問(7校)により、障害児の学習指導、生徒指導、管
理運営等の諸問題について協議を深め、指導助言を行
い、学校運営の質的向上に努めた。
2)生徒指導の充実
児童生徒の障害の状態や特性について、教職員の共通
理解を図り、小・中・高等部の一貫した指導に努めると
共に、生徒指導の機能を生かした授業や諸活動の実践に
努めた。
3)進路指導の充実
児童生徒が自己の長所を知り、その伸長を図り、望ま
しい進路選択ができるようにするために、個に即した進
路指導の作成や福祉・労働・医療機関との連携を図り、
校内の進路指導体制の確立に努めた。
4)軽度障害児の指導の充実
特殊学級の少人数化や多様化を考慮し、交流教育の推
進や個に応じた指導計画の作成及び指導に努めた。
また、通常の学級に在籍する、軽度の障害児をの理解
や指導の在り方についてセミナーを開催し、担当する教
員の研修に努めた。
5)交流教育の推進
養護教育地域交流推進実施校(精神薄弱養護学校1校、
協力小学校1校、協力中学校1校、協力地域1地区)を
指定し、障害のある児童生徒が障害のない児童生徒や地
域社会の人たちと活動を共にすることにより、障害児と
その教育に対して正しい理解と認識を深めると共に互い
に連帯意識を育むことに努めた。
6)指導職員の資質の向上
ア 養護教育担当指導主事会議の開催
養護教育に関する指導の重点や事業等についての研
究協議を行い、各教育事務所管内の養護教育の理解並
びに円滑な推進を図った。
イ 県立学校学校教育指導委員連絡協議会の開催
養護教育に関する事業概要及び指導の重点、並びに
学校教育指導委員の任務についての研修を行い、学校
教育指導委員の資質の向上を図った。
ウ 盲・聾・養護学校初任者研修の実施
校外研修に新たに「障害に応じた多様な進路指導」
を加え、実施した。
39名の初任者は、学級担任または学級副担任となり、
教育実践を通し指導力と使命感を養い、幅広い知見を
得させ、その後の教員としての資質向上の基礎を形成
することに努めた。
エ その他の研修会の実施
・養護教育教務主任研修会
・養護教育研修主任研修会
・訪問教育担当教員講習会
・特殊教育新任担当教員研修会
・教職経験者研修 1 2 3
・養護教育担当教員長期・短期研修
8)適正就学の推進
心身障害児就学指導講習会を開催し、地域の実態に即
した適正な就学指導を進めるため、市町村教育委員会の
就学指導担当者及び小・中学校、盲・聾・養護学校の校
内就学指導委員会等の教員を対象とし、障害児の就学に
ついての理解と啓発の在り方についての講義や研究協議
等を行った。
また、心理検査の実技を行い、検査方法及び採点の仕
方等について研修を深めた。
また、市町村における就学指導を補完するため、県心
身障害児就学指導委員会を開催し、障害児の適正な就学
指導の推進に努めた。