教育年報1997年(H9)-000-01/258page
序
県教育委員会では、平成12年度を目途に「新世紀ふくし
まを担う『明るく個性豊かな人間の育成』」を基本目標と
する「第4次福島県長期総合教育計画」を平成5年3月に
策定し、当該年度毎に重点的に推進する施策及びこれを具
体化する施策の基本方向を示し、諸施策の推進に積極的に
取り組んでまいりました。
平成9年度は、同長期総合教育計画がスタートし後半期
の年にあたりました。
広範で急速な社会変化に的確に対応した文教行政の推進
が強く求められている昨今、中央教育審議会が、昨年6月
26日に「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の第二次答申を公表しました。
これからの教育は[ゆとり]の中で子供たちに[生きる力]をはぐくむことが大切であると
した第一次答申を基に、大学・高等学校の入学者選抜の改善、中高一貫教育、教育上の例外
措置等を重要課題として示し、さらに高齢社会に対応する教育の在り方に言及しております。
本県におきましても、今後とも国の文教施策の動向を踏まえ、教育行政の円滑な推進に努
めてまいる所存です。
本誌は、県教育委員会が平成9年度に推進した事業概要を取りまとめたものであります。
主な施策の展開について申し述べます。
生涯学習の振興では、県民の生涯にわたる多様な学習活動のための支援体制の整備や学習
機会の拡充、生涯学習の普及・啓発等に努めました。また、平成12年夏の開館に向け、海
に関する文化・学習機会を提供する「海洋文化・学習施設(仮称)」の建設に着工いたしま
した。
学校教育では、学力向上対策事業の充実に努めるとともに、総合学科高校としての安達東、
双葉翔陽高等学校の開設や学科改編等の高校教育改革の推進を図りました。また、富岡養護
学校高等部の開設や県立学校の大規模改修等、教育諸条件の整備にも力を注ぎました。
文化関係では、「県文学賞」開催事業が50周年を迎え記念事業を実施しました。また、埋
蔵文化財等の調査・研究や専門職員研修等のための拠点施設である「県文化財センター白河
館(仮称)」の基本設計を策定いたしました。
スポーツの振興では、「ふくしま国体」を契機に高められた競技力の維持向上と「スポー
ツ振興基金」等による生涯スポーツの振興に努め、さらには、スポーツの基礎を培う学校体
育の充実に努めるとともにスポーツによる国際交流を図りました。
平成9年度実績「教育年報」の発刊にあたり、その施策の一端について申し述べました。
本誌が本県教育の限りない発展のために、多くの皆様方に有意義に活用されますようお願い
いたします。
平成10年9月
福島県教育委員会
教育長 杉原陸夫