教育年報1997年(H9)-201/258page
くない。
このような現状から、児童生徒が、相手の思いを受け止め
ながら、自分の気持ちや考えを表現することができるように、
人間関係をつくる力を育成し、互いに受け入れ合い、支え合
える豊かな人間関係を育むことが必要であると考え、本年度
から3年計画で、本研究を進めることにした。
第1年次の本年度は、次のように研究を進めた。
(1) 人間関係をつくる力を、基本的信頼感、自己肯定感、他
者にかかわりたいという思い、その思いを伝える技能であ
るとおさえた。
(2) 人間関係をつくる力を育成するための指導援助の方向性
として
1) 安心感が得られ、かかわり合うことが楽しいと実感で
きる学習集団をつくること
2) 互いに相手を認め、受け入れ合うことを通して自己肯
定感を高めること。
3) 他者とのかかわりを深めたいという思いや、その思い
を伝える技能を高めること
を示した。
(3) 児童生徒の人間関係をつくる力の実態を把握し、具体的
な指導援助の在り方を探ることを目的に、アンケート調査
を実施した。
本年度の研究を通して、人間関係をつくる力を育成し、
「豊かな人間関係」を育むためには、児童生徒の発達段階
を考慮しながら、特に自己肯定感を高めることや、他者へ
かかわろうとする思いを高めることに力点をおいた具体的
な指導援助が必要であることが明らかになった。
第4節 教育相談
教育相談部では、来所及び電話による相談を受けている。
今年度の相談の概要は以下のとおりであった。
1 対象別
来所相談件数・延べ人数、電話相談延べ回数
種別/対象 幼 小 中 高 一般 計 来所
相談件数 10 111 70 107 12 310件 延べ
人数19 261 138 189 14 621人 電話
相談延べ
回数15 221 236 266 85 823回 ※ 電話相談の回数は、対象となる児童生徒について主と
して保護者・教員と相談したものである。
2 区分別
来所相談件数・延べ人数、電話相談延べ回数
種別/区分 知能
学業性格
行動身体
反応進路
適性教育
一般その他 計 来所
相談件 数 1 251 3 14 32 9 310件 延べ
人数3 515 7 24 63 9 621人 電話
相談延べ
回数11 394 18 78 233 89 823回 3 地区別来所相談延べ件数
県北 県中 県南 会津 南会津 いわき 相双 その他 計 243 15 4 3 0 15 29 1 310件 4 月別相談延べ人数・回数
種別/月 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 計 来所
相談29 55 45 62 25 55 82 68 65 32 71 32 621人 電話
相談50 50 90 101 39 108 83 66 46 59 73 58 823回 第5節 教育図書・資料
全国各教育研究機関から送付されてくる研究紀要や資料及
び県内各学校から送付されてくる研究資料を収集、整理・保
管し、レファレンスサービスを行っている。また、所の研究
成果を普及するため、研究紀要や所報『窓』を刊行した。
今年度の概要は以下の通りであった。
1 教育図書・教育資料の収集
○教育図書購入冊数 122冊 ○寄贈教育図書(教科書を除く) 35冊 ○定期刊行図書購入冊数 34冊 ○研究紀要寄贈冊数 606冊 ○恵贈定期刊行物数 40冊 2 教育資料の刊行
○研 究 紀 要 第27集 ○所報ふくしま『窓』 第121号〜第123号 ○教育研究資料目録 第23集