教育年報1997年(H9)-200/258page

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で、その趣旨は以下のとおりである。

1) 本県の児童生徒の国語、算数・数学、英語の学力到達

状況を明らかにすること。

2) 前回の調査結果と比較して、その変容を把握すること。

3) 今後の指導に役立てる指導例を示すこと。

(2) 研究の概要

1) 検査問題 教研式・全国標準診断的学力検査・NRT

内容は、小学校5年、中学校2年のもの

であり、前回の調査と同じである。

2) 実施時期 平成9年4月〜7月

3) 実施学年 小学校6年生 国語、算数

及び教科 中学校3年生 国語、数学、英語

4) サンプル数 抽出数の信頼度を95%以上に設定し、

1教科1500以上とした。

(3) 研究の成果

 小学校、中学校における各教科の学力到達度は、全国の

それと比べると十分であるとは言えないが、小学校の国語

は全国水準に達した。また、本県の7年度の学力到達度と

9年度のそれを比較すると、すべての教科において到達度

が上昇している。さらに、今回の到達状況や前回との比較

から、各教科の課題がより具体的に把握できた。その課題

解決に向けて、学力向上に関するこれまでの研究結果等も

踏まえながら、指導例を示すことができた。次年度は、指

導例について実践研究する予定である。

3 基礎学力向上のための授業改善

に関する実践的研究

一思考活動を活発にする支援について一

科学技術教育部

(1) 研究の趣旨

 児童生徒の思考活動を活発にする方策を授業に盛り込み、

自分から進んで考えて課題を解決していく活動を通して、

知識・理解、技能を確かなものとする実践研究を理科と技

術・家庭で行った。

(2) 研究の概要

1) 思考活動のとらえ方

 実践では科学的思考に焦点を当て、科学的な思考活動を、

当面の課題を解決し、事象への理解を深めるための活動

と考え、事実関係の把握、相互関係の把握、因果関係の

把握、総合関係の把握という、事象認識の段階の視点か

らとらえた。

2) 施行活動を活発にする方策を盛り込んだ授業の実践

 授業が、児童生徒にとって問題解決的な学習になるこ

とを基本にした。授業の展開に当たっては、事象(教材)

の提示、体験的活動、自己表現活動、ゆとり、問題解決

の満足感の各点を重視した具体的方策を講じた。

3) 思考活動と基礎学力

 科学的な思考ができたかについては、学習した事象の、

事実、相互、因果などの関係の理解の程度を問うテスト

問題で判断した。また、思考活動の活発さについては、

児童生徒の自己評価によって把握した。他にいくつかの

調査を行って、思考活動を活発にする方策が、知識・理

解、技能の獲得にどのような効果があるかを調べた。

(3) 研究の成果

1) 考えようとする意欲は導入時における事象や教材の提

示の仕方と関わりが深いことがわかった。

2) 書く、話す、作るなどの自己表現活動や体験的活動を

取り入れると思考活動が活発になることがわかった。

3) 思考活動を活発にするためには、個に応じた支援が必

要であることがわかった。

4) 児童生徒の思考活動を活発にすることは、知識・理解、

技能の獲得に効果があることがわかった。

4 情報ネットワークの教育的活用

と授業改善へ向けた教育用ソフト

ウェアの活用研究

情報教育部

 教育情報の有効な活用を図るために、各学校における教育

活動や教職員の研究・研修等支援及び教育関係機関との連携、

多岐にわたる教育用データベースの構築と利用・活用につい

て研究する。

 ここ数年、社会へのインターネット普及は進み、学校教育

への普及も進んでいる。インターネットの学校での利用・活

用については異論のないところだが、多くの問題点や課題を

含んでいる。平成9年4月、コンピュータ設備の更新を行い、

ウインドウズとネットワーク環境が整備された。このような

中で、所内ネットワーク(イントラネット)を利用した情報

ネットワークの研究を行うことが可能となり、今年度は「教

育情報ネットワークシステムの教育的活用」のテーマで研究

することにした。この研究は、ネットワークを利用すること

によって、個々のコンピュータの持つ有用な情報の共有と、

学校やその他教育機関との連携及び授業改善に結び付ける教

育的な活用方法等を研究するものである。

 また、教育用ソフトウェア開発は3年目を迎えた。年毎に

SE(情報処理技術者)との共同開発にも慣れ、その成果を

上げてきた。今年度は複数のセンター所員とSEとで、マル

チメディア対応の進路学習を支援するソフトウェアを開発し

た。このソフトウェアは、学級活動における進路指導の在り

方を見直すことを目的として、「生きる力」の育成に関わる

進路の学習が、生徒主体で行われるように、コンピュータを

活用して授業改善を図るねらいで作成された。なお、開発し

たソフトウェアを使用し、授業改善に向けた検証授業を実施

した。さらに、ソフトウェアライブラリセンターに自作ソフ

トウェア集の一つとして登録した。

 今後もインターネット等を活用して授業改善を図るための

研究を行い、教育情報ネットワークシステムの実現と適切な

運用を図るための研究を行いたい。

5 豊かな人間関係を育む指導援助

に関する研究(第1年次)

一人間関係をつくる力の育成を通して一

教育相談部

 最近の児童生徒の中には、友人関係において、かかわり合

う楽しさが実感できなかったり、自分の気持ちや考えをうま

く表現できなかったりして、人間関係で悩んでいる者が少な


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