教育年報1998年(H10)-203/270page
第14章 福島県教育センター
第1節 概要
教育センターは、教育関係職員の研修、教育に関する専門
的・技術的事項の調査研究、情報教育、教育相談及び教育図
書・資料の作成・収集・提供等、本県の学校教育の向上・発
展に寄与するための事業を実施してきた。
それらの事業概要は、次のとおりである。
1 研修事業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、「平成10年度
福島県公立学校教職員現職教育計画」に基づいて各種の研修
講座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修1(教職5年経験者)、
経験者研修2(教職10年経験者)、並びに、専門研修2(教
科指導、道徳教育、特別活動、教育方法実践、学校カウンセ
ラー〈初級・中級・上級〉、登校拒否、環境教育、国際理解
教育・情報教育)と専門研修3(学校経営関係、教育研究法)
を実施した。平成10年度の研修講座の実績は、次のとおりで
あった。
○講 座 数 39講座 ○講座開設数 90回 ○講座研修者数 3,847人(延べ人数) ○講座開設期間 平成10年5月11日〜平成11年2月23日 2 研究事業
教育センターの使命、役割を自覚し、県教育委員会のシン
クタンクとしての期待に十分応えられるように努めるととも
に、本県の教育推進上の課題や今日的な学校教育の在り方に
対応する研究を行い、本県学校教育の充実・進展に資するこ
とをねらいとして、学校教育の諸課題の解決に役立つ先導的・
実証的な研究を進めてきた。
平成10年度は、センター研究課題「『生きる力』としての
『学力』を育てる学校教育の創造」のもと、「小・中・高に
おける授業の改造」を目指して5つの部(教育経営・学習指
導・科学技術教育・情報教育・教育相談)がそれぞれに研究
主題を設定して研究を進めてきた。
これらの研究は「研究紀要」及び広報誌「所報ふくしま『窓』」
に掲載するとともに、平成11年2月2日(火)の「福島
県教育研究発表大会」において発表し、県内外に普及を図っ
た。
3 教育相談事業
幼児及び児童生徒の教育上の諸問題について相談を受け、
問題の改善・解決を目指した来所相談、電話相談を行った。
特に、不登校や学校生活に関する相談が多いことから、当
該校と協力するとともに、関係専門機関との連携を図りなが
ら相談に当たった。
また、フリーダイヤルを活用した遠隔地からの相談や児童
生徒本人からの相談が増加した。
4 教育図書・資料事業
県内教職員の教育実践活動に役立つ教育図書及び教育資料
の収集・整理に努めるとともに、文献的資料の利用相談への
対応並びに貸し出し等のサービスを行い、教職員の研修・研
究活動を援助してきた。
また、教育センター広報誌「所報ふくしま『窓』」第124号、
125号・126号及び「研究紀要」第28集を発行し、教育実践活
動並びに研修・研究活動への情報を提供してきた。
5 情報教育事業
県内教職員の教育活動を支援するために、学習指導の中で
活用できるソフトウェア(以後ソフトと記す)情報の提供を
行ってきた。また、所内のパソコンネットワーク(イントラ
ネット)を利用した研修も行っている。このような中で、こ
れからの情報教育の在り方を考え、それを推進できる教員の
育成を図った。
平成8年度から、ソフトウェアライブラリセンターが開設
され、教育用ソフトが3,000本以上収集・展示してある。ソ
フトの二次情報はコンピュータで検索することができ、実際
にソフトの内容を見ることもできる。さらにライブラリの内
でのソフト試行も行っている。平成10年度の利用者数は1,60
0名を越え、センター研修等でも有効利用を図っている。
情報処理技術者(SE)をソフトウェアライブラリセンター
の運営補助や学校巡回指導等で活用し、学校でのコンピュー
タ利用・活用の推進にも当たった。
第2節 研修事業
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置づけられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修講座の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者・教職10年経験者を対象とした。
初任者研修の内容は、教科指導、情報リテラシー、生徒
指導・教育相談及び教職一般に関するものなどで、小・中
学校は2泊3日を1回、高等学校は「学校教育と法令」及
び「教育経営と授業」を加え、前期・後期の2回、2泊3
日の日程で実施した。
経験者研修1及び経験者研修2(前期)は、教科の特性
を生かした指導法など経験年数を踏まえた内容で、2泊3
日で実施した。経験者研修2(後期)は情報教育に関する
内容に絞り1泊2日で実施した。