教育年報1998年(H10)-249/270page

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 特に、食事の提供、宿泊室等値環境の改善については、

できるだけ速やかに改善を図るように心掛けてきた。

(3) 環境教育の視点に立った環境整備

1) よく手入れされ整備された施設を目指して、日常点検

や活動開始前の点検をしっかり行うように心掛けた。

2) 自然保護に配慮して、自然と共生するコース案内板等

の補修及び更新を行ってきた。特に、木にやさしくとい

う考えに立って、針金等による補修を行わないようにし

た。

3) 屋内の環境については、掲示板等を効果的に活用して

美的環境を整えるとともに、クラフト作品を展示して、

自然に対する関心を高めた。

(4) 多様なニーズに対応できるプログラムの開発

1) 利用団体の研修のねらいも年々多様になってきており、

新たなプログラムの開発が必要である。

 特に、学校教育団体の利用に向けて、環境教育の観点

からと、学社融合という観点からプログラムの開発を行っ

てきた。

 環境プログラムについては、いろいろなネイチャーゲ

ームを用意し、遊びを通じて自然に対する興味関心を高

められるようにした。ネイチャーゲームを実施する頻度

も多くなってきている。

 学社融合プログラムについては、文化財めぐりを中心

とした社会科学習や、環境教育を中心とした理科学習な

どで実践してきた。日帰り利用によるプログラム実践も

見られるようになってきた。

2) 既存の活動種目を見直し、改善を加えた。特に、プロ

グラムの内容が実態に合っているかという観点から再吟

味して、より多くの利用者が楽しむことのできる内容に

改めた。また、活動種目のカードを作成し、利用者に手

軽に活用できるようにした。

 クラフト活動も、新たに「焼き板づくり」や「森の標

本箱」などを取り入れ、雨天時の活動のみならず通常の

活動としても、多く活用されている。

(5) 広報活動の展開

1) 多くの利用者に利用してもらえるよう、利用拡大に向

けて、積極的に広報活動を行ってきた。報道機関を通じ

た周知活動や、スポーツ少年団をターゲットとした利用

の啓蒙により利用拡大が図られた。利用者数及び利用団

体数の上からも、社会教育団体の利用が大きく増加し、

利用状況の中で占める割合も大きくなってきている。

2) 郡山自然の家「友の会」を組織し、自然の家の良き理

解者として、また、運営改善のための情報提供者として

活用してきた。主催事業の参加者の中に占める「友の会」

会員の割合も増加し、自然の家に対する理解も深まって

いるものと思われる。

(6) 特色ある主催事業の開発

1) 学校週5日制対応事業としては、新しい発想に基づい

て、内容を工夫した事業が展開された。

 一つは、6月に行われた『松川浦への潮風紀行』であ

るが、他施設との連携を企図し、相馬海浜自然の家を利

用して「潮干狩り」を中心とする事業を行った。当施設

にはない「海」という自然環境を生かした活動を行い、

参加者からも大変好評であった。

 もう一つは、11月に行われた『あなたもそばうち名人

になろう』であるが、この事業は、大変興味の持てる内

容、手軽に参加できる内容になっているため、例年参加

者が多く、ニーズに十分応えられないという状況があっ

た。そこで、休業土曜日と日曜日の2日間にわたって実

施し、曜日の選択ができるようにするとともに、より多

くの皆様に参加してもらえるように配慮した。1日に80

名、2日で160名の募集に対して、合計182名の参加があっ

た。

2) 「たくましく生きる少年のつどい」は、年5回に分け

て実施し、7泊12日の期間で行われた。今年度も、体験

の拡大と他施設との連携を図るという二つの観点から、

いわき海浜自然の家を利用して、「いかだ遊び」や「磯

遊び」などの海型の活動を取り入れた。ただ、海型の活

動を取り入れた日が、県内に多くの台風被害をもたらし

た日と重なり運営面に苦労したが、悪天候の中、参加者

の積極的な活動と取り組みにより成果が認められた。全

体には、参加者も年々増加しており、一人一人の子ども

の自立に結び付き、人間関係の拡大や生活経験の拡大に

つながり、多くの成果が見られた。

3) 『夢冒険キャンプ』は、夏季休業中に5泊6日の長期

にわたって行われたが、夢のある活動、冒険的な活動を

取り入れ、猪苗代湖西岸を中心とした移動キャンプを実

施した。湖水浴のみならず、モーターボートやカヌーに

乗る体験や、白虎隊の足跡を訪ねるハイキングなども行

い、日常生活では味わえない貴重な体験を通じて、参加

した児童生徒が一人一人大きく成長していったように感

じられた。

(7) 安全対策の充実

 「事故はどこでも起こり得る」という認識に立って、所

員の安全意識の向上を図ったり、利用者へ働きかけをした

りして、積極的な安全対策を行ってきたため、事故等はほ

とんどなかった。

 食中轟防止については、「手洗いの徹底」を働きかけて

きた。食事を提供する食堂業者や利用者の意識も高く、大

きな問題は無かった。今後も、油断すること無く万全の努

力をしていくことが大切である。

 スズメバチ対策については、捕虫装置を設置してハチを

捕獲するというように、先手先手の措置を講じてきたため、

ほとんど被害がなかった。

 今後も、安全対策に万全を期すため、的確な情報を収集

し対処していく必要がある。

(8) ハード面の工夫

 利用者に快適に利用してもらえるように、与えられた条

件の中でできることは何かを常に考えながらハード面の改

善を行ってきた。屋内環境では、利用者が最初に利用する

ホールのフローリング、食堂を明るく快適な環境にするた

めの塗装、きれいで気持ちよく入れる浴室への改修、自動

販売機の設置などを行った。屋外環境では、自然の家らし

さを醸し出す木を使ったオブジェ、活動エリアがよく分か

る案内板の設置、気軽に休むことのできるベンチの設置な

どを行った。


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