レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -408/451page

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未評価 クイナ科

クイナ Rallus aquaticus indicus Blyth  

【選定根拠】一年を通して水辺近くのよく繁ったヨシ原等で生活するため、なかなかその姿を見ることができず、総体的にその数も確認例も少なく、現状がよくわからない。
【形態】ハトよりやや小さく、雌雄同色、額から尾羽までの上面が茶褐色で、黒い縦斑がある。顔から胸まで青灰色で、黒い過眼線がある。下腹部は白黒の横斑がある。嘴は比較的長く、繁殖期にはほとんど赤く、秋冬には黒褐色で下嘴の基部だけ赤い。足は黄褐色。「キュッ」と鳴き、繁殖期には「キュイキュイキュイ」と10声前後鳴き続ける。
【分布】北海道と本州北部で繁殖し、秋冬には本州中部以南の湿地の草原に生息する。中国南部やミャンマーで越冬する。
【県内の分布、生息状況】以前の記録には冬期水辺の叢地にまれとあったが、昭和54年6月に昭和村。平成7年6月に会津若松市、9年7月会津若松市2例、11年7月会津若松市。12年7月会津若松市。同年7月岩瀬村は夏の確認であり、平成4年1月郡山市。7年10月郡山市。9年12月いわき市が冬期の確認である。


未評価 シギ科

ヤマシギ Scolopax rusticola LinnaeusLinnaeus  

【選定根拠】行動特性は夜間水田や湿地でミミズなどを捕食する目につきにくい種であり、現状が把握されていない。
【形態】全長35cm。夏冬とも雌雄同色。額は灰色で、後頭に黒色の太い横斑があり、上面は赤褐色で黒色や灰白色の複雑な模様がある。下面は淡黄色で黒褐色の横縞がある。尾先の先端は灰色で、裏面は銀白。嘴は黄褐色で先端は黒く、真っすぐで長い。足は灰褐色で短い。眼は大きく頭の後ろよりにある。
【分布】日本では北海道・本州・伊豆諸島では繁殖。その他の地方では冬鳥。ユーラシア大陸中部・北部で繁殖し、冬は南に移動するものもいる。
【県内の分布、生息状況】県内全域に生息している。昼間は雑木林・竹林・杉林などで過ごす。会津地方では降雪期には河川の岸などで採食をするので目につきやすい。


未評価 シギ科

アオシギ Gallinago solitaria japonica (Bonaparte)Linnaeus  

【選定根拠】もともと目にすることの少ない種。渡来数も少なく谷川沿いに単独でいる。観察数も少ない。
【形態】全長30cm。雌雄同色。黒褐色の頭側線に挟まれた頭央線は白色。上面は黒褐色で、淡・赤褐色の複雑な模様と白色縦線がある。胸はオリーブ色。腹は白色で、脇に褐色の横斑がある。
【分布】日本には全国に冬鳥として渡来。バイカル湖周辺やヒマラヤ北部・シベリア東北部・サハリンで繁殖。
【県内の分布、生息状況】冬鳥として渡来し、山地や山沿いにある渓流や小さな流れに生息し、単独で暮らす種であり、郡山他数例の観察記録があるのみ。


未評価 フクロウ科

オオコノハズク Otus lempiji semitorques (Temminck et SchlegelBonaparte)Linnaeus  

【選定根拠】福島野鳥の会等の調査、アンケートなどでも極めて回答数の少ない種であり検討したが、行動特性が夜行性であり目につきにくい種である。
【形態】全長19〜25cm。褐色に黒い縦斑と横斑がある。大きな羽角をもち、羽角の内側から眼先は淡色。後頚が淡く新月形斑をなす。北海道から九州に生息するオオコノハズクと沖縄のリュウキュウオオコノハズク(  )がいる。北海道のものは冬に南下する。森林や村落周辺の林に生息するが高山帯にはあまりいない。
【分布】日本〜インドにかけて、南はボルネオ・ジャワ島まで分布。
【県内の分布、生息状況】二本松市の市街地で繁殖が確認されている他数例の目撃情報しかない。


未評価 ヒタキ科

オオセッカ Locustella pryeri pryeri (Seebohm)Bonaparte)Linnaeus
国カテゴリー;絶滅危惧TB類

【選定根拠】現時点では分布などの確認がなされていないが、近県など状況から詳細な調査を実施することで生息確認がなされる可能性は大きい。
【形態】スズメ目/ヒタキ科/ウグイス亜科の小鳥。全長14cm。セッカに似るが尾は長めで先端部の白い部分がない。背中には黒い斑点 が目立つ。
【分布】世界的に見ても日本及び中国東北部に限定して生息する貴重な種。我が国では青森、秋田、宮城など関東以北のアシなどが密生する湿地で繁殖し、冬は本州中部などへ移動する。
【県内の分布、生息状況】県内での記録はほとんどないが、宮城県仙台湾や千葉県などとの環境の類似性から、浜通りの太平洋に接する河口や河口に隣接する湿地には生息する可能性も考えられる。今後は、繁殖期、非繁殖期にわたり詳細な生息確認調査が望ましい。


未評価 ホオジロ科

コジュリン Emberiza yessoensis yessoensis (Swinhoe) Linnaeus
全国カテゴリー;絶滅危惧U類

【選定根拠】局所的に分布が確認されているが、継続的な観察は少ない。
【形態】全長14.5cm。オオジュリンに似るが、オオジュリンより一回り小さい。雄の夏羽では白い頬線がないこと、後頸に白帯がないことでオオジュリンと区別される。
【分布】中国東北部と本州中部、北部、九州の一部で繁殖する。分布も局所的で不明な点が多い。
【県内の分布、生息状況】県内での記録はいわき市や福島市、相馬市などで確認情報があるものの、観察例は少ない。


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福島県生活環境部環境政策室自然保護グループの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。