スナヤツメ |
Lethenteron reissneri(Dybowski)
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全国カテゴリー;絶滅危惧U類
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【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少b 分布域の一部で生息条件が悪化
【形態】国内では遺伝的に独立した北方型と南方型の2型が確認されているが、明確な形態的差異が認められないため隠蔽種とされている。全長20cm、口には下あごが無く吸盤状、眼の後方にえら穴が7対並ぶ。体は黒褐色で黄色の光沢があり、第2背鰭は淡色。躯幹部の筋節数は56〜67個。アンモシーテス幼生は黒褐色、尾鰭は黄褐色または白色。
【分布】北海道、本州、四国と、鹿児島県、宮崎県を除く九州に分布する。国外では、沿海州、中国大陸北部、朝鮮半島に分布する。
【県内の分布、生息状況】浜通りの各河川、阿武隈川水系、久慈川水系、阿賀川水系の中流域に主に生息し、淡水域で生活史が完結する。アンモシーテス幼生は主に淵などの砂泥底に生息する。産卵は粒径の小さい砂礫底で行う。分布域は広いが、稲葉(1999)、河川水辺の国勢調査(1996)により確認されていても今回確認されなかった地点もあり、生息数、生息場所の減少が懸念される。
【生息に影響を与えている要因】河川開発水質汚濁
【生息データ件数】41
【主要文献】
稲葉修(1999)福島県太平洋沿岸水系の魚類.福島生物,(42):7.
Yamazaki,Y.And A.Goto(1997)Morphometric and meristic characteristics of two
groups of Lethenteron reissneri.Ichthyol.Res.,44(1):15-25.
山崎裕治・後藤晃(2000)ヤツメウナギ類における系統分類と種分化研究の現状と課題.
魚類学雑誌,47(1):1-28.
ヤリタナゴ |
Tanakia lanceolata (Temminck et Schlegel)
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【選定根拠】b 分布域の一部で生息条件が悪化d 分布域の一部で交雑可能な別種が侵入産卵母貝の減少
【形態】全長10cm。体高は比較的低く、口角に1対の口ひげをもつ。背鰭には鰭条に平行の紡錘形の暗色班がある。産卵期の雄は体側前半が赤紅色を帯び、背鰭前上縁と尻鰭の朱色も濃さを増す。
【分布】北海道、南九州以南を除く日本各地。朝鮮半島。
【県内の分布、生息状況】会津地方の一部の小河川、湖沼にのみ分布。生息地での個体数は比較的多い。春季から夏季、ドブガイ等の二枚貝に産卵し、稚魚は1ヶ月で貝から泳ぎ出る。
【生息に影響を与えている要因】河川開発池沼開発水路整備水質汚濁帰化生物との競合(タイリクバラタナゴ) 帰化生物による捕食(オオクチバス、コクチバス、ブルーギル)
産卵母貝の減少
【特記事項】裏磐梯湖沼の個体群は、移植の可能性がある。本種のみでなく、産卵母貝となるドブガイ等の二枚貝の保護が不可欠である。
【生息データ件数】4