レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 - 034/122page

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準絶滅危惧 サンショウウオ目 サンショウウオ科

トウホクサンショウウオ
Hynobius lichenatus Bouleger

【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少b 分布域の一部で生息条件が悪化
【形態】成体の全長は10〜14cm位。他種との区別は卵のうの形態を比較し行うのが良い。本種の卵のうは、らせん状または、「の」の形になることが多い。半透明で表面にしわが多く、とても柔らかい。
【分布】日本固有種で東北地方および新潟県・群馬県・栃木県に分布する。
【県内の分布、生息状況】会津地方と阿武隈山地北部に広く分布する。阿武隈山地南部は、目撃例が少なく、分布の南限に近いと思われる。4〜5月ごろ、林内または林のそばにある湧き水・水たまり・水田・緩やかな流れなどに産卵する。水路整備の影響を受け、減少傾向が著しい。
【生息に影響を与えている要因】水路整備森林伐採農薬汚染
【特記事項】林のそばにある水田の水路は、産卵場所になる可能性が高いので、三面張りのコンクリートにしないことが望ましい。また、産卵場周辺の林は大規模な伐採をしないことが望ましい。
【生息データ件数】99
トウホクサンショウウオ


準絶滅危惧 サンショウウオ目 サンショウウオ科

クロサンショウウオ
Hynobius nigrescens Stejneger

【選定根拠】a 分布域の一部で個体数が減少b 分布域の一部で生息条件が悪化
【形態】成体の全長は12〜16cm位。種の区別は卵のうの形態を比較し行うのが良い。本種の卵のうは、アケビ状白色で表面が寒天質に覆われ、非常に柔らかい。水中の枯れ枝などに鈴なりに生み付けることが多い。
【分布】日本固有種で東北地方、関東地方の北部、中部地方の日本海沿岸に分布する。
【県内の分布、生息状況】会津地方と阿武隈山地北部、原町市と鹿島町の丘陵地帯に分布する。低地から高地まで幅広く分布する。3〜6月ごろ、林内または林のそばにある池沼・水たまりなどの止水で産卵する。
【生息に影響を与えている要因】池沼開発土地造成森林伐採帰化競合
【特記事項】産卵場には天敵となる魚を放流すべきではない。また、周辺の林は大規模な伐採をしないことが望ましい。北塩原村の裏磐梯では、沼地の埋め立てやオオクチバス・コクチバスの食害などによって減少が著しい。
【生息データ件数】38
【主要文献】
稲葉修(1999)阿武隈山地の福島県地域における両生類と爬虫類.福島生物, (42):25-34.
クロサンショウウオ


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