レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 - 033/122page
絶滅危惧U類 サンショウウオ目 サンショウウオ科
トウキョウサンショウウオ Hynobius nebulosus tokyoensis Tago 【選定根拠】@大部分の個体群で個体数が減少A大部分の生息地で生息条件が悪化
【形態】成体の全長は8〜12cm。種の区別を成体で行うのは難しいので卵のうの形態を比較し行うのが良い。本種の卵のうは、バナナ状でアルファベットの「C」の形になることが多い。半透明で表面にしわがほとんど無く、弾力性がある。
【分布】日本固有種で関東地方および福島県・愛知県に分布する。
【県内の分布、生息状況】生息が確実なのは、いわき市。矢祭町内川でも確認されている(稲葉1999)。過去に原町市でも目撃情報があったが、今回の調査では確認できていない。3〜4月ごろ、林内または林のそばにある湧き水・水たまり・水田などの止水で産卵する。
【生息に影響を与えている要因】水路整備森林伐採農薬汚染
【特記事項】林のそばにある水田の水路は、産卵場所になる可能性が高いので、三面張りのコンクリートにしないことが望ましい。また、産卵場所周辺の林は大規模な伐採をしないことが望ましい。
【生息データ件数】44
【主要文献】
稲葉修(1999)阿武隈山地の福島県地域における両生類と爬虫類.福島生物, (42):25-34.