レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -066/122page

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1 はじめに

野生生物が数多く生息・生育している本県においては、これまでも鳥獣保護行政を中心に野生生物の保護が図られてきた。しかし、近年の人間活動の急激な広がりや生活様式の変化などにより、多くの野生生物の種が絶滅の危機に瀕する等、自然環境において生物多様性を脅かす事態が生じてきている。

これらの問題に対処するため、本県では平成9年度より「福島県希少野生動植物リサーチ事業検討委員会」が設置され、保護の方向性について具体的な検討が開始された。引き続き設置された「ふくしまレッドデータブック作成委員会」により県内に生息・生育する野生生物について実態を
把握するための調査が行われ、調査結果として平成14年3月に『レッドデータブックふくしまT(植物、昆虫類、鳥類)』が刊行された。平成15年1月には淡水魚類、両生・爬虫類、哺乳類を対象とした「ふくしまレッドリスト」が公表され、引き続き『レッドデータブックふくしまU』が刊行される予定である注)。

『レッドデータブックふくしまT』の調査結果では、生育地等を直接改変する森林伐採、土地造成等各種開発行為が野生生物の生息・生育を脅かす最大の要因となっているほか、園芸価値の高い種などに対する強い採取圧、化学物質等による環境汚染、移入種の侵入等様々な要因が指摘されており、人間活動により絶滅に追い込まれている希少野生生物の実態が浮き彫りとなった。また、希少野生生物の情報の公開にともなう盗掘等の問題も懸念され、これらの問題に対する保護対策が急務となっている。

このような状況を踏まえ、福島県の希少野生生物の保護のあり方について検討するため、平成14年5月に福島県生活環境部長の委嘱により本研究会が設置された。本研究会では、4回の会議を開催して検討を行い、今般、その結果を取りまとめて報告するものである。

※ 本報告で使われている「希少野生生物」とは、県内に生息・生育する野生生物であって、平成14年1月及び平成15年1月に策定した「ふくしまレッドリスト」に選定された生物、およびその後の調査等により絶滅危惧に相当すると判断される生物である。

注)本報告は「レッドデータブックふくしまU」の刊行以前に策定されたものである。


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