レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -067/122page

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2 本県における希少野生生物の現状と課題

 (1)自然環境の現状

本県は東北地方の最南端に位置し、全国第3位の広大な面積を有している。阿武隈高地、奥羽山脈により大きく浜通り地方、中通り地方、会津地方の3地方に区分され、これらの3地方では気候をはじめ環境条件に顕著な差がみられることから多様性に富んだ生物相が形成されている。

また、山地、湿地等、起伏に富んだ複雑な地形が多いことから、植物ではアカヤシオ、ホロムイイチゴ等、本県が北限、南限とされている種やビャッコイ、アンドンマユミ等本県でのみ生育が確認されている種も存在している。

昆虫類では浜通り地方には汽水域に生息するヒヌマイトトンボ、会津地方には寒地性のカラカネイトトンボ等全国的にも希少な種が多数生息していることなどが特徴的であり、分類群が多岐にわたることから今後、調査が進めば、さらに発見される種が増加するものとみられている。

鳥類では沿岸に生息するホウロクシギや山間地の渓流近くの明るい広葉樹林を好むノジコなどの希少種が確認されている。コアジサシはいわき地方の海岸で繁殖しており、産卵場所の北限とされている。

淡水魚類では、会津地方にウケクチウグイ、イトヨ(陸封型)が生息していることなどが特徴的である。シナイモツゴ、ゼニタナゴは移入された他種との競合、池沼開発等により局地的な分布となっている。全国的に希少となっているメダカは、全県で広く分布しているが、基盤整備等により生息環境が狭められている状況にある。

両生・爬虫類では、トウキョウサンショウウオが浜通り地方で確認されており、分布の北限とされている。また、アカウミガメは、いわき地方の海岸で産卵が確認されており、産卵場所の北限とされている。

哺乳類では、主に樹洞をねぐらにするヤマコウモリ、ウサギコウモリが、生息環境の悪化により大幅に減少している。ツキノワグマ、ニホンザル、ニホンカモシカは生息地域が拡大し、人家に接近した場所で確認されるケースが増えており、人間生活に対する影響が見られる。

 (2)希少野生生物保護に対する取り組み

ア 野生生物保護に関する国際的な動向

世界的なレベルにおいて絶滅のおそれのある野生生物については、昭和41年に国際自然保護連合(IUCN)から鳥類と哺乳類についての最初のレッドデータブックが発行された。同じく国際自然保護連合により平成14年に作成されたレッドリストでは、11,167種が絶滅の危機に瀕する種として登録されている。種の絶滅は、自然のプロセスの中で絶えず起こってきたことではあるが、今日の絶滅は歴史上かつてない驚異的なスピードで進行しており、このような急激な絶滅は、これま


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