理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-001/82page
1植物が生育するためにはどんな条件が必要だろうか私たちのまわりをみると,人家の周辺,小川のほとりや神社の森田のあぜなど,場所によってがりた植物群落がみられます。
また図―1,2のように,道路の敷石の間や,かわら屋根左どにも,植物が生育しているのを見かけます。このように植物はいろいろな環境のもとで生活しており,その環境条件がちがえばそこに生育する植物の種類もちがうし,その環境条件に適応した形態や性質をもつようになります。
特に,植物は動物とちがって移動することができないので,その生育している場所の土壌・水分・温度(気温)・光・風・他の動植物左どの環境要因に強く支配されています。そして,植物の形態や成長のしかたは環境のはたらきかけを強く受けています。
土壌では通気性と保水力が関係します。一般に保水量の大きい土地に生育する樹木は根が浅く広くはって枝が下の方までよくのびます。反対に乾燥した土地に生育する樹木は根が深くのびて枝は上の方だけのびるようになります。
図―1 石畳の間に生えているヨモギやメヒシバ(福島市卸町)