理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-002/82page
また通気性のよい土地では植物の根がよく発達するが通気性が,悪いと根の発達はおさえられます。
そのほか土壌の酸性度(pH)も根の発達に関係し,多くの植物は中性の土壌でよく生育します。
水分は種子の発芽や,植物の生活に欠かすことのできないものです。特に地中に根をはる植物では生育場所によって水分の量がちがうために,その形態や生活のしかたにいろいろな適応がみられます。
例えば,海岸砂地に生育しているコウボウムギは,草たけ低く地中深く根がの
びて水分を吸収しやすくしています・
温度は植物の種類によって最適温度がちがいます。ただ光合成や呼吸など酵素のはたらきで行われているので,気温の影響を強く受けます。
温帯に生育する落葉樹は,冬に看ると低温のため根の吸水量が低下してくるので,水分の蒸散量が少女くなるように葉を落して寒さに適応しています。
光は緑色植物の光合成の能力をきめる重要左要因で,植物が光合成を行なって正常な成長をするには,ある限度以上の光が必要で,この量は植物の種類によってだいたいきまっています。
日当りのよい場所にしか生育できないもの(陽生植物)―アカマツ,ススキ
日陰でも生育できるもの(陰生植物)―ブナ,アオキ,コケ・シダ類など
風は種子の散布などに役立つが,葉の蒸散量を高めて温度を下げたり葉や枝を傷つけたりするので,植物の形態や分布に影響を与えます。
動物は食物として必要な有機物を植物から得ており,植物もまた動物によっていろいろと影響を受けています。
図-2 かわら屋根に生えている雑草