理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-023/82page

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11湖から森林ができるまでにはどのような道すじをたどるだろうか

新しくできたばかりの湖水には,二物のい左い澄んだ水でたたえられています(貧栄養湖)しかし流水によって周囲から土砂や二物の遺体などが流れこんでくると,これらは,細菌などの微二物によって分解されて,しだいに養分の多い湖水になって,まずプランクトンがふえるように左ります。さらに'流れこんだ土砂で湖沼かだんだん浅く左ると,それ以前には深すぎたため,生えることのできなかったクロモやシャジクモなどの沈水植物が二育できるようになります。そしてプランクトンや沈水植物の遺体が水中で完全に分解され老いままたい積していって泥炭を形成していきます。そして富栄養湖に変わります。'流れこむ土砂と泥炭のたい積によ
って,さらに浅くなれば,ヒシやヒツジグサなどの浮葉植物が生えるようになり,さらに浮葉植物が生えていたところには,ヨシ1マコモなどの挺水植物が生えてきます。しだいにたい積が進むうちに,まわりからヌマガヤ・ワタスゲなどの湿原植物が侵入してきます。
これがだんだん進行すると,しだいに湖はうまり,沼から湿原に,やがて草原に変わります。
湿原や草原の中に,草にまじって日なたを好む樹木(陽樹)が芽生えて二育してきます。低地ではアカマツなど,高地ではカンパの類です。
周辺から陽樹の森林ができると,その木かげでは,日なたに二育する草木にかわって日かげに育つ下草が二育しはじめます。陽樹の種子は森林の暗いところでは育ちにくいので,日かげでも成長できる樹木(陰樹)ブナやトドマツなどかこれにかわり,陽樹が枯れると陰樹の森林にしだいに移りかわっていきます。
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図-25 湖から森林への移り変わり

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