理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-024/82page

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このように湖沼から陸地にかわっていく現象を陸化といいます。
すでに森林になってしまりたところ,図-25の4)の状態では,上に述べたような現象をみることはできません。
まだ,中央部に水面をのこしている,図-25の2)3)の状態の沼沢や湿原へいけば,陸化のようすや植物群落の移り変
わりをつかむことができます。特に高層湿原ではそれがはりきり観察できます。
湿原はこのように湖沼がしだいに陸化していく現象の一過程を示すものです。
県内では,尾瀬が原は高層湿原として典型的左発達を示し,学術的に極めて価値が高い。そのほか,雄田沼湿原,赤井谷地,駒止湿原,弥兵衛平,谷地平や駒が岳や田代山の頂上近くにも,高層化した湿原がみられます。
湿原の中は同じ環境になっていません。環境がちがえばそこに二育している植物のようすもちがうはずで,湿原の中の池沼,泥地,乾燥地などを選んで調べるようにしましよう。
図-26 エゾリンドウ
図-26 エゾリンドウ

図-27 亜寒帯性湿原植物の多い赤井谷地(会津若松市赤井)
図-27 亜寒帯性湿原植物の多い赤井谷地(会津若松市赤井)


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