理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-038/82page

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低地は,アカガシ・ウラジロカシの林に友っています。

Bモミ・イヌブナ林区(阿武隈山地)
阿武隈山地は,1,000mを越す日山,大滝根山をのぞいては,標高300m〜600mの丘陵を形づくっています。気候は年平均気温が10度内外で温暖性の気候を示しています。そのため,この地域の標高2。0肌〜700mにわたる広い地域では,モミやイヌブナを主としブナ・イヌシデ・コナラ・クリなどが混ざった混交林が極相となっています。

Cアカマツ林区(中通り低地)
この地域は阿武隈川流域のせまい地帯で,降水量の少ない乾燥した内陸性の気候を示すため,アカマツの林が極相林として広く発達していたところです。しかし,この地帯は,本県では最も耕地化が進んだところであるため,天然のアカマツ林は,福島市の吾妻地区などのごく限られたところにしか残。ていません。

Dブナ林区(奥羽中央分水山地)
ここは,吾妻山,安達太郎山,磐梯山,旭岳などがそひえる山岳地帯です。標高約500m以上1・400肌〜1,500m以下では,ブナが極相林として発達し,ミズナラ・イタヤカエデ・卜チ…サワグルミなどが混ざった林をつくっています。この地帯の土の浅い峰筋には,キタゴヨウ・クロベ・ヒノキアスナロ左どの針葉樹:林があり,さらに,1,500'η〜2,000肌の亜高山帯に在ると,アオモリトドマツコメツガ・シラベなどの針葉樹やダケカンバなどの落葉樹が混ざった針葉樹林が発達しています。
耳ハンノキ林区(会津盆地)
会津盆地は,現在ではほとんど水田に左っていますが,今でもわずかに残っているヨシ湿原やハンノキ湿原の様子から.もともとは,ハンノキの多い湿地林があ一つたと考えられています。周辺地帯は7カマツの林が発達してきています。

Fブナ・スギ林区(会津山地)
北部の飯豊山の山腹一帯や只見川水系の山地ではブナ林が極相林となっており,低い方には天然スギ林が見られます。これは,典型的な日本海型森林の性質を持つもので,奥羽中央分水山地のプナ林とは異一っています。同じく会津山地でも,南部の燧岳,駒が岳や只見川と大川水系の中間の山地は,天然スギの自二が見られず,北部には見られなかった亜高山帯針葉樹林が発達しています。そのため,この地域は奥羽分水山地から越後山脈へ移る推移帯と考えられています。


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