理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-037/82page

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18県内の植物相はどのように区分することができるだろうか

福島県は,東は太平洋に面し,中央には奥羽分水山地,西は越後山脈に接する広がりを持ち,地形,地質,気候ともかなり変化に富んだ様相を示しています(P77〜80参照)。そのため,このよう左自然環境に適応した植物相もかなり複雑になっています。
植物に注意しながら,福島県を東から西へ横断してみると,まず気がつくのは森林をつくっている植物の種類が変化してくることです。森林は,地形や地質,気候などの自然環境と平衡状態にな'つたときに最も安定した状態(極樹木)に達します。したがって,森林をもとにして植物相を考えていくと,自然環境と植物相の関係を巨視的にとらえることが可能に左ります。
図-42は森林をもとにして本県の植物相を区分したものです。おおよそ,地形や気候の区分と一致していることがわかります。

Aシイ・力シ林区(浜通り低地)
太平洋沿岸に位置するため,年平均気温も13度内外と海洋性の陵帯気候に恵まれ,スダシイ・アカガシ・ウラジロガシ左どの常緑広葉樹が極相林となっています。特に,南部のいわき市海岸低地には,ス・ダシイ林が発達し,北部の相双海岸

図-42 福島県の森林区分(吉岡原図)
図-42 福島県の森林区分(吉岡原図)


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