中学校技術・家庭科学習指導資料-012/50page
の回転状況をみる。
8)固定心棒を抜きとり,直径35mm内外の方位計をコイルリング内に人れ,スライダックで減圧して磁針をゆっくり回転させて,回転磁界を観察させるのもよい方法である。
9)電磁石用としてのコイルのフォルマール線は,長時間使用していると発熱するので,2〜3分以内の連続使用にとどめるべきである。
(7)解説
交流回路には,抵抗Rのほか,いろいろな形で自己インダクタンスLをもったコイルや,容量Cをもったコンデンサが含まれていることは,すでに承知ずみであろうが,復習の意味で,コイルやコンデンサに交流が流れた場合に,電圧と電流の間にどのような関係があるか述べることにしよう。
1)コイルと交流回路
ア コイルの抵抗作用
抵抗だけの交流回路は,直流回路と変わりなくその扱いは簡単であるが,コイルがある場合には,自己誘導作用があって,電流が変化するとコイル内に起電力が生ずるのでなかなか厄介である。
いま,図−1のように自己インダクタンスをもったコイル(抵抗は無視する)に交流電圧eを加えて,電流iを流すと,磁束が生じて変化するから,コイル内に電磁誘導作用による起電力eLができる。この起電力eLは,加えた電圧eとは,いつも逆方向にできて,
流れてくる電流をさまたげようとする。 この起電力eLの大きさは,ちょうど加えた電圧eとは常に等しい大きさになるのである。これはちょうど物に力を加えて押すと,作用あれば反作用ありの理くつで,これに対して同じ大きさの力で押しかえすのによくにている。この際インダクタンスLが大きくて周波数fも大きい程,少ない電流で,加えた電圧eに対抗する起電力eLが生ずるのである。つまり,コイルが電流をさまたげる大きさは,Lとfの積に比例するのである。