中学校技術・家庭科学習指導資料-028/50page

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モスタットの説明をすることにしよう。
(2)フェライト磁石と強さ
子どもの玩具として,あるいは,鉄板黒板に資料など貼付するとき使用する,黒い円形をした磁石がフェライト磁石である。形や大きさは,いろいろあるがふつう円形をしたものが多い。次に,磁石の強さと温度との関係であるが,グラフ−1のようになっている。このグラフが示すように,温度の上昇にともない,若干不規則ではあるが,磁石の強さは,逓減していることがわかる。
フェライト式サーモスカットは,この温度上昇にともなう強きの逓減を利用して,鍋底に吸着していたフェライト磁石を引き離し,その落下するエネルギーを,スイッチがしくんである連動機構に伝達し,スイッチをOFFにしようとしたものである。
なお,磁石は,温度の下降により次第に磁性を回復するので,バイメタル式と比べ,熱サイクルによる変化や,スイッチの連動機構上に故障が少なく,長寿命の安定度が得られるというよい点をもっている。
グラフ−1
(3)炊飯器の温度変化としくみ
市販品の作動時の温度変化は,その日の気圧や器種の構造によって若干異なるが,一例を示すとグラフ−2のようになっている。
鍋中は,約90へ95℃に達すると,それ以上温度は上昇しない。水が沸点に達しているからであり,B−C問で蒸発を続ける。一方熱板の温度も,余り上昇しないのは,鍋自身の放熱と気化熱によって,熱がうばわれているからである。蒸発が終ると(C点),熱板は,次第に温度が上昇してD点に達する。鍋底に吸着していた磁石は,強さを弱め,ばねの力に対抗できず下方に落下する。
次に,そのしくみの概要であるが,押しボタンを押すと,磁石はばねの力に抗して鍋底に吸着し,スイッチがONになり,回路に電流が流れる。これは,磁石を保持している金具と連動している機構上に,スイッチがしくまれているからである。飯がたけてD点になると,磁石は落下するから自動的にOFFになる。
グラフ−2

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