中学校技術・家庭科学習指導資料-037/50page

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あり,大きさ,材料の厚さなどを考えて製作してください。
(2)働き
図−3
図−3
図−3は,けい光ランプの働きを示したものである。電極より熱電子を放出し,その熱電子が水銀原子に衝突して,主として2537A°(オングストローム)の波長をもった紫外線を生ずる。これは目に見えない光で,ランプ内のけい光物質に当り,これを刺激して可視光線となる。この可視光線になるまでの電気現象は,要約すると三つの段階から成り立っている。第一の段階は,熱電子の放出,つまり,アーク放電(弧光放電)といって,陰極の加熱による熱電子(自由電子)の放出であり,第二の段階は,紫外線の発生するしくみ(励起現象)である。さらに,第三の段階は,紫外線がけい光物に当り可視光線を発生する現象で,この三つの段階のうち,第一と第三は間接的ではあるが,実験観察が可能であり,第二の段階は,教師の説明によるしかないが,指導の実際にあたっては,その概要にふれる程度でよいと思われる。
(3)熱電子の放出実験
図−4
図−4
図−4のように,スライダック(AC130V,10A)ニクロム線,えんぴつのしんをミノムシクリップで装置し,えんぴつのしんを接触させながら,電圧をだんだんあげると先端は赤熱する。赤熱したら,先端をわずかに離すとアーク放電がみられる。これは熱電子を放出して回路をつくり,電子が大気にふれて発光していろことを示すものである。なお,適当なニクロム線がみつけにくい場合は,100W電球を使用してもよいが,えんぴつのしんは赤熱しない。しかし,放電状態はある程度観察できる。
(4)励起現象
熱電子が水銀原子に衝突して,紫外線を発生するのは励起現象といって,次のように考えられている。

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