中学校技術・家庭科学習指導資料-038/50page
〔安定状態〕 →〔衝突状態〕 →〔励起状態〕 →〔安定状態〕 (a) (b) (c) (d) 図−5
熱電子のもつ運動のエネルギーが中位ぐらいのとき,衝突された水銀原子は,原子核の外周りを回っている電子(b)図が,他の軌道にはじきだされる。はじきだされた電子は,原子核との間に抗束力がはたらいて,(c)図のようにさらに外側の軌道を回ることになる。このような現象を励起状態という。励起の状態は,過度的であり,また不安定な状態であるので,一般的には外から刺激を受けなくても,10−8〜10−9砂という極めて短期間内に(d)図のように元の勅道にもどるのがふつうである。いま,各軌道のエネルギーを比較すると内側より外側の方のエネルギーが高いので,励起現象により水銀原子は1時的にエネルギーを増すことになる。この現象は極めて矩時間なので,電子が元の軌道に復帰するときに余分のエネルギーを捨てることになる。捨てられたエネルギーが一一定の波長の放射線となって外に出るのである。この水銀の励起現象によって発生する波長は,大部分が2537A°の紫外線である。この紫外線がけい光物質を刺激し発光するのである。
次に,参考まで電磁波の波長を表に示しておく。
表−1
(5)けい光物質の発光実験
図−6のような装置をつくり,けい光物質の発光実験をする。けい光燈スタンド10〜15Wを使用し,けい光ランプのかわりに殺菌燈を取り付ける。その上に教室